天皇杯サッカー V長崎、3-2でF東京破る 18歳安部がプロ初ゴール

【3回戦、V長崎―FC東京】前半32分、V長崎の安部(左から2人目)がプロ初ゴールを決め仲間に祝福される=トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーの第102回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)は22日、長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎などで3回戦の16試合が行われ、J2V・ファーレン長崎はJ1FC東京に延長の末、3-2で競り勝ち、2大会連続で4回戦に進んだ。
 V長崎は前半3分、右サイドのクロスから強烈なボレーシュートを浴びて失点したものの、14分に大竹のキープから右サイドで奥井が入れたクロスを山崎が直接流し込んで同点。32分にはCKのこぼれ球を安部がミドルレンジから左足を振り抜いて勝ち越したが、ロスタイムにFKのクリアボールを決められて2-2で折り返した。後半は互いに決定機を生かせず延長へ突入。迎えた前半ロスタイム、クリスティアーノが右サイドから中央へ切れ込み、決勝ゴールを奪った。
 前回大会優勝のJ1浦和はJ2群馬に0-1、昨季J1覇者川崎もJ2東京Vに0-1で敗れた。このほかJ2勢は栃木が横浜Mを2-0、甲府が札幌を2-1で破った。J1鳥栖は熊本との九州勢対決を3-2で制した。
 4回戦は7月13日に各地で8試合を実施。V長崎はJ1福岡と対戦する。

◎18歳安部 プロ初ゴール

 ほぼ主力級を並べてきたJ1FC東京を破り、4回戦に進出したV長崎。開始早々の失点から立て直し、延長の末に競り勝った試合を振り返って原田監督代行は「選手たちの頑張りと、それを後押ししたサポーターに感謝したい」とほっとした表情を見せた。
 天皇杯で2試合連続スタメンの安部がプロ初ゴールを決めた。地元長崎で育ち、アカデミーから今季プロ契約を勝ち取った高校3年生。同点の前半32分、CKのこぼれ球から弾丸ミドルでネットを揺らし、勝利に貢献した。期待の18歳は「狙ってあの場所で準備していた。何も考えずゴールだけを見て振り切った。仲間と一緒に喜べてうれしい」と笑みをこぼした。
 格上を倒して弾みをつけ、次は中2日でリーグ戦に臨む。決勝点を挙げたクリスティアーノは「勝たないと首位に近づけない。ホームでしっかり連勝したい」と先を見据えていた。


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