東海道新幹線、N700Sに架線電圧の維持機能搭載 高密度ダイヤに対応

JR東海は、東海道新幹線のN700Sに架線電圧を維持する機能を搭載する。

同社は2020年3月から、「のぞみ」を1時間あたり片道最大12本運転する「のぞみ12本ダイヤ」を導入している。高密度なダイヤでは、安定運行に必要な架線電圧を維持できなくなる恐れがあるため、変電所を増設したり、沿線21か所に電力補償装置を設置したりすることによって架線電圧を維持してきた。

同社は今般、N700Sに搭載している主変換装置の改良により、これまで地上装置が担っていた架線電圧の維持機能を、車両側で実現する技術を開発した。これにより、一部の変電所や電力補償装置の削減が可能となり、東海道新幹線の全編成に導入した際には、電力使用量は年間で約2,000万キロワット毎時低減。電気料金は約3億円、CO2排出量は約1万トン相当を削減できる見込みだという。

まずはN700Sの一部編成に順次機能を搭載し、2023年2月まで機能確認試験を行う。その後、他のN700Sにも搭載を拡大する。

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