フジテック社長退任へ 取締役再任案撤回、投資ファンドが企業統治問題指摘

フジテックのロゴマーク

 エレベーター大手のフジテックは23日、滋賀県彦根市の本社で開催した定時株主総会で、内山高一社長の取締役再任案を撤回した。大株主である香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントから指摘を受けていたガバナンス(企業統治)上の問題について、第三者委員会による追加調査結果が出るまで取締役から外す。

 フジテックは、調査で問題がないと確認できた場合、内山氏の取締役選任を改めて株主に諮る方針。

 ファンド側は、内山氏や親族がそれぞれ代表を務める法人とフジテックとの取引が「利害関係者に不利益をもたらす個人的利益を得ている疑いがある」と主張し、他の株主に対して内山氏の取締役再任に反対するよう呼びかけていた。

 フジテックは、指摘を受けた問題について外部の弁護士による調査結果を公表し「法的にも企業統治上も問題はない」と結論づけたが、株主などの意見を踏まえて第三者委員会による追加調査を実施すると発表していた。

© 株式会社京都新聞社