地上波放送のネット配信に対しネットユーザーの半数弱が期待!インプレス「動画配信ビジネス調査報告書2022」発表 / Screens

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インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、動画配信ビジネス市場の動向を調査し、動画配信に関する調査結果を発表した。

<<映像・動画全体の視聴状況と有料動画配信サービスの利用率調査の注目の結果>>

■有料動画配信サービスの利用率は3.3ポイント増の28.9%に伸長、1/3が利用経験者に

有料動画配信サービスの利用率は昨年調査から3.3ポイント増加の28.9%となり、引き続き高い成長率を維持。また、3か月より以前の利用者も含めた有料動画配信サービス利用経験者は36.3%(同4.4ポイント増)となり、1/3を超えた。新型コロナウイルス感染症拡大による複数回の緊急事態宣言や外出自粛要請等により巣籠需要が拡大してきた中で動画配信の視聴が定着し生活に深く浸透したことや、1年を通して各サービスでTVCMなどのプロモーションがより一層強化されたこと、各サービスで話題となるオリジナルコンテンツが配信されていること、特にこれまで地上波でしか放送されなかったようなコンテンツがライブで配信されることも多くなってきていること、見逃し配信の浸透による認知度の向上などの要因から利用率、利用経験者の比率が伸びたと考えられるという。

【図表1. 有料動画配信サービスの利用率の推移】

■テレビをよく視聴するユーザーが低下

普段よく視聴する映像・動画の種類を聞いたところ、「リアルタイムのTV番組」が66.9%で最も高く、「録画したTV番組」が52.3%で続き、YouTubeなどの「動画共有サービス」の45.2%、TVerなどの「無料の動画配信サービス」が29.1%となっている。無料の放送やインターネット動画がよく視聴されている。

コロナ禍1年目の2020年度は未知のウイルスに対して外出自粛が徹底されたこともありテレビ放送・ネット動画配信ともに利用が急進したが、コロナ禍2年目の2021年度には外出自粛が緩和され時期もあり、やや落ち着きを見せた形になっている。昨年調査からは順位の変更はないが、全体的に比率が低下しており映像や動画全体の視聴はやや少なくなったことが推測される。

そのような中、「リアルタイムのTV番組」と「録画したTV番組」のテレビに関連するトップ2項目は大きく比率が低下している。一方、昨年調査から比率が横ばいなのが「有料の動画配信サービス」(0.3ポイントダウン)や「SNS上の動画」(0.6ポイントアップ)などで、相対的に影響力を上げている。

【図表2. よく視聴する映像・動画の種類(複数回答)】

■若年層を中心に動画共有サービスの人気がより高まる

よく視聴する映像・動画のうち最も好きなものを聞くと、「リアルタイムのTV番組」「録画したTV番組」「動画共有サービス」の順となり、上位3つは前述のよく視聴するものと同じ順位となっている。しかし、リアルタイム・録画ともにTV番組の比率は昨年に引き続き低下しており、「動画共有サービス」は0.5ポイントと昨年に引き続き増加した。また、「有料の動画配信サービス」は「無料の動画配信サービス」よりも高い比率の9.4%。

また、性年代別に見ると、男性10代、男性20代、男性30代、女性10代、女性20代は「動画共有サービス」が突出して最も高い比率となっていることが特徴的。また、女性20代では「有料の動画配信サービス」が20.8%と高い比率で次点になっている。

【図表3.最も好きな映像・動画】

■地上波放送のネット配信に対して、ネットユーザーの半数弱が期待

NHK以外の民放テレビ局各社のネット向け同時配信の取り組みが本格的になっている。2022年4月からはTVerにて民放各社のプライム・ゴールデンタイムの地上波放送の同時配信・追っかけ再生が提供され、以前から行われていた見逃し配信に加え、時間にとらわれない視聴が可能になってきている。

同時配信や見逃し配信等に対する意向をたずねたところ、「同時配信に期待している・利用したい」の比率は全体で16.7%、「追っかけ再生に期待している・利用したい」が13.5%、「見逃し配信に期待している・利用したい」が31.7%となっている。同時配信、追っかけ再生、見逃し配信のいずれかの意向をもつユーザーは合計で45.3%(複数回答での重複削除後)となり、半数近いインターネットユーザーが地上波放送のネット配信をポジティブに受け止めている結果となっている。

【図表4. 地上波放送のネット配信への期待(複数回答)】

■PPV (有料のオンラインライブ配信)の利用率は4.2ポイント増の15.2%

コロナ禍の動画配信市場の大きな変化の1つとして有料チケット制オンラインライブ配信(PPV)が急速に立ち上がったことが挙げられる。リアルでのイベント、コンサート、舞台等の開催や動員が制限される中、緊急避難的に開始されメジャーなアーティストも次々と実施し、チケットエージェンシーなど動画配信サービス事業者以外も参入している。その後、音楽ライブだけでなく、舞台やトークイベントなど様々な分野にも広がっている。

本年調査では、「よく視聴する」「たまに視聴する」「1、2回は視聴したことがある」を合わせた利用経験者は15.2%となり、昨年の11.0%から4.2ポイントの増加となっている。「よく視聴する」の比率は0.4%と非常に少なくなっているが、コロナ禍1年目とは異なり有観客のリアルイベントの開催が戻りつつある中で、著名な音楽アーティストのPPVもやや減少していることやコアなファンは現地に参加していること、物珍しさもなくなってきたことなどが要因とみられる。一方で、「たまに視聴する」や「1、2回は視聴したことがある」の比率は2倍近くにまで上昇しており、徐々に浸透してきている。

【図表5. PPV(有料のオンラインライブ配信)の利用率】

<<動画配信サービス利用者の利用状況調査の注目の結果>>

■Amazonプライム・ビデオ、Netflix、ディズニープラスが伸長、4割弱のユーザーは複数サービスを利用

有料の動画配信サービス利用者を対象に、利用している有料の動画配信サービスを調査した結果、トップは「Amazonプライム・ビデオ」が72.4%となり、昨年から3.2ポイント増加。2位には「Netflix」の23.7%、3位には「Hulu」の8.9%が続く。

「Amazonプライム・ビデオ」や「Netflix」、「ディズニープラス」の利用率が昨年調査に引き続き伸長している。また、「U-NEXT」や「YouTube Premium」も伸びている。

【図表6. 利用している有料の動画配信サービスTOP10(複数回答)】

この1年間の間に利用した動画配信サービス数を聞いたところ、「1サービス」が66.8%で最も高く、「2サービス」が23.8%と続く。4割弱のユーザーは複数サービスの経験がある。

【図表7. この1年間に利用した有料の動画配信サービス数】

■無料動画は動画共有やSNSの動画が上位、「TVer」が大きく増加

無料の動画配信サービス、動画共有サービスをよく視聴すると回答したユーザーに対して、利用しているサービス名を聞いたところ、「YouTube」が94.5%で突出し、以下、SNSの「Twitter」「LINE」、無料の動画配信サービス「TVer」と続く。昨年調査と比較すると、「TVer」が7.0ポイントと大きく増加し、2年連続で順位を上げていることが注目される。

【図表8. よく利用する無料の動画TOP10(複数回答)】

また、本調査結果の詳細は新産業調査レポート『動画配信ビジネス調査報告書2022[生活に浸透する動画配信、ネット同時配信もついに本格スタート]』として発行し、2022年6月23日(木)に発売した。(https://research.impress.co.jp/vod2022