【期日前投票】当日に選挙に行けないときの投票方法【参院選2022】

2022年7月10日に参議院議員選挙が実施されます。

しかし、投票日当日は仕事や外せない用事などの理由で投票所に行けない人もいるのではないでしょうか。また、投票日当日近くまで予定のわからない人も少なくないと思います。
そのような人におすすめの制度が期日前投票です。

前回衆院選で期日前投票を済ませた人は約2058万人、全有権者の19.48%を占めています。
【参考】総務省:令和3年10月31日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報資料

本記事では、はじめて期日前投票に行く人でも安心して投票ができるように、流れをわかりやすく説明いたします。

期日前投票に行くまでの流れ

いざ期日前投票に行こうと思い立ったときに、どのように行動すればよいのかを説明します。

1. 期日前投票の場所と投票時間をチェックする

今回の参院選では、期日前投票は6月23日から7月9日まで実施されます。

期日前投票の投票所の場所は、お住まいの自治体の選挙管理委員会事務局で確認できます。
地域によっては自宅に届いている投票券に記載されている場合もあります。

期日前投票所は、より多くの人が投票しやすいよう、さまざまな場所に設置されます。
市役所や区役所、市民センターのような公共施設だけでなく、ショッピングモール、駅施設にも設置されることがあります。

他にも、大学や高校に1日限りの期日前投票所を設置することもあります。
今回の参院選では、北海道で初めて、稚内市内2つの高校に期日前投票所が設けられることが報道されています。
【参考】参議院選挙 稚内市の高校に期日前投票所を設置へ 道内初

期日前投票所の開設時間は多くの場合8時30分〜20時の間ですが、それぞれの期日前投票所で投票期間や投票時間が異なることがあります。
事前に自治体のwebサイトなどでチェックしてからお出かけください。

2. 期日前投票所に行き、期日前投票宣誓書を提出する

期日前投票では、「期日前投票宣誓書」に、

① 期日前投票を行う日(宣誓日)
② 氏名(自署)
③ 生年月日
④ 期日前投票事由(該当する事由に○をつける)

を記載し、提出します。

宣誓書は期日前投票所に置いてあります。
自治体によっては投票券(投票所入場券、投票所入場整理券)と一体化されていたり、自治体webサイトからダウンロードできたりします。

3. 1枚目の投票券をもらって投票する

参議院議員選挙は「選挙区」と「比例代表」の2つに投票します。
最初は「選挙区」選挙の投票を行います。

投票所の中に進むとスタッフから投票用紙と筆記用具を受け取ります。
その後、左右の仕切られた机で候補者の名前を投票用紙に書き込みます。
この時、机の上や前には立候補している候補者の名前が書かれていますので、それを見ながら投票したい候補者の名前を用紙に書きます。

候補者のことを調べていない場合も、投票所で候補者の経歴や政策の内容が書かれている選挙公報を閲覧することができるので、そちらを参考に投票することができます。

無事に書き終えたら投票箱に入れます。

投票用紙は折り畳んでも投票箱の中で自然に開く特殊な紙を使っていますので、折っても折らなくても大丈夫です。

4. 2枚目の投票券をもらって投票する

次に「比例代表」選挙の投票に移ります。

流れは選挙区の投票と同じで、スタッフから投票用紙を受け取って、書き込み、投票箱に入れます。
比例代表の場合、投票用紙に書き込む名前は比例代表の候補者名ですが、政党や政治団体を書くこともできます。

5. 投票済証をもらってみよう!

自治体が投票した証明に配布する「投票済証」を発行している場合があります。
投票済票は、投票所でスタッフに「投票済証をください」というだけでもらうことができます。

投票済証は自治体が独自にデザインすることもでき、キャラクターとコラボしたものなど、さまざまな工夫を凝らしたものがあります。
例えば山梨県笛吹市では、今回の参院選で地元高校生のデザインによる投票済票がお披露目されるそうです。
【参考】山梨県立笛吹高校「投票済証」デザイン(美術部)

期日前投票のメリット

ここで、期日前投票のメリットを説明します。

場所や時間、天候にしばられない

通常の投票は投票所が指定されていますが、期日前投票では市町村内のどの投票所でも投票できます。

また、投票券がまだ届いていない場合や、投票券を持っていない場合でも、本人確認ができれば手ぶらで投票したいときに投票できます(身分証明書があるとスムーズです)。

期日前投票の対象となるのは、選挙期日に仕事や用務があるなど現行の不在者投票事由に該当すると「見込まれる」有権者です。
選挙に行きたいけれど当日の予定が直前までわからない時は、思い切って期日前投票に出かけてはいかがでしょうか。

混雑を避けられる

新型コロナウイルス感染症対策として、期日前投票所においても、各市区町村の選挙管理委員会により、換気やアルコール消毒などさまざまな対策が講じられていますが、投票日には時間帯によって投票所の混雑が予想されます。

総務省も、投票日当日、投票所に選挙人が集中することを避けるため、期日前投票の積極的な利用を勧めています。

事前に宣誓書を記入しておくと受付がよりスムーズに進みますので、あらかじめ記入して持参すると、よりいっそう混雑を避けられます。

このような場合は?期日前投票の注意

期日前投票には次のような注意点があります。

投票日前に市町村をまたぐ転居をした(する予定の)場合

お住まいの市町村外へ転出した場合、新しい住所地で投票するためには、転入届を新しい住所地に提出した日が6月22日の公示の前日から3ヵ月以上経過していることが条件となります。

これから投票日までに引っ越す予定の方は、お引越し前に、ぜひ今お住まいの地域で不在者投票をしましょう。

投票日直前に選挙権を得る場合

投票日には選挙権を有する予定でも、期日前投票を行おうとする日にまだ選挙権を有しない方(例えば、7月10日に18歳になる方)は、期日前投票をすることができません。

この場合には、選挙人名簿に登録されている市区町村の選挙管理委員会で不在者投票をすることができます。
【参考】選挙期間中に18歳になるが、投票する日時点では、まだ17歳のかた(国分寺市)

まとめ:期日前投票に行くときの流れ

期日前投票は、投票日の当日に仕事や家の都合などで投票所に行けない人を対象にした投票です。
公示の翌日から投票日の前日までの期間実施されるため、投票券がお手元に届いていない場合でも期日前投票ができます。

期日前投票に行くときは、

1. 期日前投票の場所と投票時間をチェックする
2. 期日前投票所に行き、期日前投票宣誓書を提出する
3. 1枚目の投票券をもらって投票する
4. 2枚目の投票券をもらって投票する

の順番で投票しましょう。

選挙権はあなたが持っている大切な権利です。
当日に投票に行くことができないからと投票を諦めず、期日前投票制度を活用してぜひ投票に行きましょう。

(執筆協力:内田文子

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