【ベトナム】HCM1号線、資金底つき給料未払い続く[運輸]

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ベトナム南部ホーチミン市で建設が進む都市鉄道(メトロ、地下鉄)1号線(1区ベンタイン市場—9区スオイティエン公園)の運営会社で、今年2月から約400人の社員に給料が支払われず、2023年末を目標とする営業運転開始にも影響が出かねない事態になっている。ベトナム政府内の意見の相違から、運営会社の増資手続きが進まず、資金が底をついたのが理由という。トイチェーなど複数の地元紙が22日伝えた。

1号線の運営会社であるホーチミン第1都市鉄道会社(HURC1)は最近、首相府に書簡を送り、21年8月以降資金が底をつき、同年7月から従業員への各種社会保険料の負担を停止したほか、今年2月からは給料も未払いになっていると訴えた。

HURC1は15年に設立され、実際に運営が始まった17年に当初資本金として140億ドン(約60万米ドル、8,200万円)がホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)経由で払い込まれた。当初資本金は事務所の必要器材購入などに充てられたが、当時想定された18年の営業運転開始が工事の遅れで大幅にずれ込み、収入がない状態が長期化している。人件費を含む運営費を賄うためには大幅な増資が必要になっている。

ホーチミン市人民委員会の要請を受けた政府は、財務省と計画投資省に検討を委ねたが、計投省は開業前のHURC1の増資に対する法的根拠や、今後の運営費を賄うためのほかの資本調達手段などを求め、増資を基本的に了承した財務省と異なる見解を示したという。HURC1は早急な資金確保が必要だと訴えており、首相の最終判断による早急な対応を求めている。

ホーチミン都市鉄道1号線の総事業費は43兆7,000億ドンに上る見通しだが、全額を日本の円借款で賄う予定になっている。現在の工事の進捗(しんちょく)率は約91%。線路などの敷設はすでに完了し、日本製の車両はすべてホーチミン市直属トゥードゥック市の車庫に運ばれた。現在は運転手育成や運行システムなどを含む社員研修が進められている。