「岩手」と「日本」、「守る」か「変える」か 類似フレーズで与野党激戦

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 参院選(7月10日投開票)の岩手選挙区(改選数1)で、事実上の一騎打ちとなった与野党がキャッチフレーズを巡り、つばぜり合いを演じている。立憲民主党現職の木戸口英司氏(58)が「岩手を守り、日本を変える。」を掲げれば、自民党新人の広瀬めぐみ氏(56)は「日本を守る! 岩手を変える!!」と打ち出した。似たフレーズが絡み合う「異床同夢」の激戦だ。
 木戸口氏は「岩手を守り、日本を変える。」を初当選した6年前から一貫して掲げる。演説では必ず「ずっと岩手で、ずっと岩手を」と訴える。
 党県連最高顧問の小沢一郎衆院議員(比例東北)や達増拓也知事の秘書を務めた実績を強調。自民の広瀬氏が大学進学以降、岩手を離れていたことをけん制する狙いもあるようだ。

 その広瀬氏陣営。演説会の会場には「日本を守る! 岩手を変える!! 女性視点で変革を!」のポスターを張り巡らす。
 14日の女性向けミニ集会で広瀬氏は「女性のやわらかな視点で岩手の政治を変えて、岩手を豊かにし、日本を守るということを言いたい」と発言。フェイスブックには「#岩手を変える」と投稿を始めた。
 自民から挑発を受ける形となった木戸口陣営。表向きには意に介さず、幹部は「昨年の二番煎じか。自分たちの主張がない表れだ」とやり返す。
 「二番煎じ」は昨年の衆院選岩手3区に伏線がある。「政権交代」を強調した立民の小沢氏に対し、自民の藤原崇衆院議員は「政権交代より世代交代」と訴えたのだ。小沢氏は藤原氏に敗れ比例復活に甘んじた。
 自民はこの「歴史的勝利」の再現とばかりに、フレーズ戦を仕掛けたようだ。県連幹部は「ロシアのウクライナ侵攻で安全保障が注目されている今こそ『国を守る』必要がある。岩手の現状と県政界の流れを『変える』という意味も込めた」と説明する。
 立民も負けていない。「イエス・ウィー・キャン(私たちはできる)」。木戸口氏を支援する達増知事は12日の選対会議で、オバマ米元大統領のスローガンを引用して声を張り上げた。
 意味を問われると、オバマ氏が掲げたフレーズに触れ「チェンジ(変革)ができる。岩手を守り、日本を変えることができるということ」とキャッチフレーズに結び付けた。
 岩手選挙区には政治団体「参政党」新人の白鳥顕志氏(51)、NHK党新人の松田隆嗣氏(48)、無所属新人大越裕子氏(58)も立候補している。