首相あいさつに異議 ハンストの具志堅さん 「戦没者安らかでいられず」

 沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で22日から23日にかけて、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(68)は、沖縄戦戦没者の遺骨が混じる南部の土砂を名護市辺野古の基地建設に使う計画の撤回を日本政府に求めるハンガーストライキを行った。戦没者の遺骨が眠る同公園で一夜を過ごし「戦没者が近くにいる感覚だ」と思いを語った。ハンストを行うテントには、具志堅さんの活動を応援する多くの人が絶え間なく訪れていた。

 穏やかな表情の具志堅さんが怒りをあらわにしたのは、沖縄全戦没者追悼式に出席した岸田文雄首相のあいさつを聞いた時だ。「この地に眠るみ霊の安らかならんことを」との言葉に、「理解に苦しむ。首相はこの地に眠る戦没者の遺骨を土砂とともに海に埋める計画を進めようとしている本人であり、戦没者が安らかでいられるわけがない。計画を撤回し、謝罪すべきだ」と悔しさをにじませた。

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