スポーツとカイロプラクティック

スポーツとカイロプラクティック

(Vol.27)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


スポーツによる膝の痛み様子見と自己診断は禁物

カイロプラクティック治療は、日常生活の上での腰痛や頭痛など、さまざまな体の痛みの改善とメンテナンスに役立ち、多くの患者さんに利用してもらっていますが、同時に、スポーツによるけがの治療や、パフォーマンス向上のためのメンテナンスにも適しています。私自身、長いことゴルフツアーの顧問医を務めていますし、近年は米国のオリンピック代表チームの医師団をカイロプラクターがまとめるようになっています。

私のクリニックでも、プロのダンサーやゴルファーから、アマチュアスポーツのウィークエンドウォリアーや運動部の学生まで、実に幅広い患者さんを診させてもらっています。カイロプラクティックのアクティブ・リリース・テクニック(ActiveRelease Technique)や、理学療法、指圧、鍼などを組み合わせて治療し、栄養、サプリメントのアドバイスも行います。

個々のスポーツによって体の使い方が異なるので、当然けがの傾向も異なります。ここでは多くのスポーツに共通して起こる膝のトラブルについて、種類や原因、治療や注意事項をお話ししましょう。

多い膝関節の痛み

膝関節のけがは大きく3つに分けられますが、まず膝蓋大腿(しつがいだいたい)症候群(PFPS:patllofemoral pain syndrome)があります。膝の正面が痛い、階段の昇降時や長時間座っている時に、徐々に膝の皿の辺りが痛み出すといったような症状が出ます。

次に腸脛(ちょうけい)靭帯炎、別名「ランナー膝」です。これは膝の外側が痛みます。腸脛靭帯とは、骨盤から膝まで続く太い筋膜のことで、痛みは膝だけでなく骨盤までの範囲で起こります。しばらく運動を控え、フォームローラーなどで靭帯をストレッチし、臀部の筋肉を強化することが改善につながります。

3つ目が膝蓋腱(しつがいけん)炎で、別名「ジャンパー膝」。これは膝の皿下に痛みを感じるもので、最初はだるい痛みから始まります。膝蓋腱は、膝の皿の前とすねをつなぐ腱で、太ももの筋肉と連動し、蹴ったり、走ったり、飛んだりするときに使います。症状の改善には、膝周りと太ももの筋肉をほぐし、強化し、ハムストリングを柔軟にするセラピーや運動を指導します。重要なのは、膝関節の周辺筋肉をバランスよくすることです。

いずれの場合も、痛みを感じたら様子見せず、迅速にカイロプラクターやその他の医療専門家を受診して下さい。場合によってはレントゲンやMRI(磁気共鳴画像)検査で、膝の状態を正確に確認する必要があるかもしれません。膝蓋腱炎は放置すると慢性腱鞘炎になり、腱が切れる確率が高くなります。

これら膝のけがの原因は、痛みの部位によって微妙に異なりますが、主に太ももや腰回りの筋肉が弱い、ハムストリングが硬い、足首関節が固い、足の安定が悪いなど、下半身の状態によるものです。スポーツによっては、ジャンプや膝の曲げ伸ばしといった動作を反復して行うため、膝関節に負担がかかり、痛みにつながります。

応急処置「RICE」

米国で実践されている、けがの応急処置に「RICE」があります。「R e s t( 休息)」「I c e( 冷却)」「Compress(圧迫)」「Elevate(患部を上げる)」の頭文字をとったもの。自己診断して様子見を続けるのはよくないですが、けがの直後や、専門医の診察を受けるまでの間に、「RICE」を実践することは私もお勧めします。

専門家の治療は症状によって異なります。場合によっては靴底に敷くインソールをオーダーメイドすることもあれば、キネシオテーピングを施したりすることもあります。

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
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今月の教訓!

「スポーツには栄養補給を」

スポーツは相当なエネルギーを消費するので、食事による栄養補給は必須。適切な量の炭水化物、脂肪、タンパク質、微量栄養素と水分を取りましょう。炭水化物は筋肉の最重要栄養素であり、燃料。糖分の少ないエナジーバーやバナナなどで補いましょう。タンパク質は疲れた筋肉を修復する栄養素。ビタミンBはエネルギー、CとEは体の細胞修復のために必要です。水分は体が機能するために常に必要。少しずつ頻繁に補給しましょう。

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