バサジィ大分 黒星スタートとなったがブレはない

黒星スタートとなった今季のリーグ戦。バサジィ大分はY.S.C.C.横浜に0-4で敗れた。今季から10年ぶりに指揮する館山マリオ監督は、「相手の激しい守備に圧倒された。向かっていく気持ちが大事。気持ちを切り替えて次の試合に備える」と、26日のホーム開幕戦に向けて仕切り直す。

ポジションに関係なく、流動的に動いて攻撃を組み立てる「マリオ・スタイル」は、足元の技術と判断の速さが生命線となる。それをサッカーコートの約9分の1程度の大きさのコートで実践するのは難しい。ボールを保持して流れをつくる攻撃は相手も嫌がるが、ミスで自滅することも多い。それでも館山監督は「身体能力が高く、実力のある選手が集まるチームに勝つためには、難しいことにトライするしかない」と言い切る。

細かく戦術を落とし込む館山マリオ監督

練習ではボールを受ける位置、向きを徹底的に教え込む。館山監督は「やるしかない。戦術を浸透させることを諦めたら勝つことはできない」と強い信念を持つ。もちろん、選手の声に耳を傾けないわけではない。開幕戦後に選手から「1対1のところを強調したい」などの声が出たことを受け、「(ボールを運ぶ場面での)スタートの位置の決まり事はあるが、それ以外はシンプルにパス&ゴーで攻撃するようにした。守備もカバーの意識が強過ぎたようなので、しっかり目の前の相手をマークするように修正した」(館山監督)。

小門勇太は「自陣でパスを回すことに満足して、ゴールに直結するプレーが少ない。戦術も大事だが、ゴールを意識しなければいけない」と話す。館山監督は「短期間で理想とするチームはつくれない。試合を重ねながら、長期的な視野を持ってチームを成長させたい」と話しており、試合を積み重ねながら連携を深めていく構えだ。指揮官が描く戦術が浸透するには時間がかかりそうだが、選手と意見をすり合わせて現状に見合った戦い方を模索している。少なくとも現時点でのチームの方向性にブレはなさそうだ。

ゲームキャプテンとなった小門勇太

(柚野真也)

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