米銀大手は厳しいシナリオでも十分な資本維持、FRB健全性審査

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[ワシントン 23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は23日、大手金融機関を対象に実施した年次ストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。厳しい経済ショックに見舞われても各行は十分な資本を維持することが判明し、自社株買いと配当金支払いへの道を開く内容となった。

今回のストレステストでは、厳しい経済シナリオの下で大手金融機関34社が被る損失は合計6120億ドルになったが、こうした厳しい状況下でも、規則で求められる水準のほぼ倍の資本を維持することが分かった。

この結果、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、ウェルズ・ファーゴ、シティバンク、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスなどの金融機関は配当金支払いや自社株買いが可能になる。

ストレステストは、想定した不況シナリオの下で各行のバランスシートの健全性を評価し、損失に対する資本バッファーをどの程度保有する必要があるかや株主に還元できる額が決まる。

各行が資本配分計画を発表できるのは27日の市場取引が終了して以降になる。

2022年のシナリオは、ロシアのウクライナ侵攻やハイパーインフレ見通しといった現在の状況が発生する前に想定されたが、米景気後退の可能性が懸念される中、銀行の備えが十分であることは投資家や政策当局者にとって安心材料になるとみられる。

今年のストレステストでは、商業用不動産価格の大幅な下落などで国内総生産(GDP)が3.5%減少し、失業率が10%に悪化するといった状況を想定。それでも34社の自己資本比率は平均9.7%と規定の最低水準である4.5%を大きく上回った。

23金融機関を対象にやや緩やかなシナリオでテストを行った昨年は10.6%だった。

結果を基にしたロイターの分析によれば、今回のテストでは、「グローバルなシステム上重要な銀行(GSIB)」8行の平均自己資本比率は9.64%だった。

GSIBの中で最も低い7.6%だったバンク・オブ・アメリカの株価は、引け後の時間外取引で下落。比率が8.6%だったシティグループの株価も同様に値を下げた。13.2%だったステート・ストリートの株価はわずかに上昇した。

証券会社BTIGの政策研究ディレクター、アイザック・ボルタンスキー氏は「ストレステストは米銀大手の力強さを示した。今後数カ月に顕著な逆風に直面するとみられる経済に安定性をもたらすだろう」と語った。

自己資本比率が最低となったのは地銀ハンチントン・バンクシェアーズの6.8%。ドイツ銀行の米事業が22.8%で最高だった。

FRBは今後数カ月のうちにストレステスト結果を踏まえ、各行に求める自己資本比率を発表する。これには最低要件の4.5%に将来の経済ショックに備えて銀行に確保を義務付ける「ストレス資本バッファー(SCB)」が加算される。

クレディ・スイスのアナリストチームは今週、平均的な資本バッファー比率は昨年の3.2%から3.3%に切り上げられるとの見方を示した。

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