「早く日本に慣れたい」ウクライナ避難学生2人 長崎県入り、国際大が受け入れ

安東学長(右)が出迎える中、長崎空港に到着したザカーさん(中央)とマクシムさん(左)=大村市

 ロシアの軍事侵攻に伴って長崎県佐世保市ハウステンボス町の長崎国際大が受け入れを支援するウクライナの避難学生2人は22日夕、長崎空港に到着した。2人は安東由喜雄学長らが出迎える中、ホッとした表情を見せ、記者会見で「早く日本の生活に慣れたい。コミュニケーションが取れるよう頑張りたい」と語った。
 原子力発電所のある南東部サポリージャ出身のマクシム・チャイカさん(17)と、北東部スムイ出身のザカー・ボーダノフさん(18)で、それぞれチェコ、ドイツに避難。フランクフルトで合流し、約24時間かけて長崎入りした。
 ザカーさんは「私が出国した後、激しい戦闘があって、親戚や友だちが地下で過ごすなど、世界の終わりのような状態になっている」と祖国の状況を説明。2人は「ウクライナの戦争がなくなることを願う。平和な世界に住みたい」と切なる思いを語った。
 壱岐市でウクライナ避難民の支援に取り組むNPO法人「Beautiful World」の小野一馬さん(36)、ウクライナ出身のヤーナさん(39)夫妻も通訳として記者会見に出席。一馬さんは「ウクライナは終戦後も継続的に支援が必要。関心を持ち続けてほしい」と呼びかけた。
 同大は当面1年間で避難学生10人程度を受け入れる方針で、1人につき生活費など約120万円のサポートを見込んでいる。27日午後5時からサイト「長崎国際大学クラウドファンディング」でも支援資金を募っていく。


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