【夏】川崎大師風鈴市へ、お気に入りの夏の音色を探しに。

照りつける太陽のなかを歩いていると、どこかからちりんちりんと聞える風鈴の音に涼しさを感じます。風鈴は、日本の夏にはかかせないもの。

神奈川県にある「川崎大師平間寺」では、毎年夏になると「風鈴市」が開かれます。

風鈴とは?

風鈴」は、ガラス、陶磁器、金属などでできた鐘で、夏に軒下などに吊るすものです。

室町時代には家具の一つとして普及しており、江戸時代には、虫売り・太鼓売りとともに風鈴売りは初夏の風物詩でした。

風鈴の音 まちかねる あつさかな(中興俳論俳文集)

この歌は、あつい夏に風鈴の涼しい音を待ちかねている様子が歌われた歌です。

涼しさの 耳からはいる 風鈴かな(享保俳諧集)

このように、日本人は昔から、風鈴の音をきいて夏のあつさをのりきってきました。さまざまな素材の風鈴を軒先にかざり、風を受けて奏でられる涼しげな音を楽しむのです。

川崎大師平間寺の風鈴市

「川崎大師平間寺」では、毎年7月の初めごろから8月にかけて、「風鈴市」が開かれます。毎年、日本全国47都道府県から約900種類、約30000個の風鈴が集められます。

お寺へと続く参道もにぎやか。風鈴を求める人々が全国各地からやってきます。

境内に入ると、ものすごい人の多さと、響きあう風鈴の音に驚きます。ちりんちりん。りーんりーん。ころろろろん。いろいろな種類の風鈴のアンサンブルが聞えてきます。

だるまで有名な川崎大師限定の厄除だるま風鈴は大人気。この風鈴を求めてくる人も多くいます。

全国各地の風鈴を求めて

全国各地の美しい風鈴の数々。地域によって形や素材もさまざまです。

風鈴の音に癒されながら歩いていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

お気に入りのひとつをさがして

さて、風鈴の魅力にひたったら、お土産にかって帰りたくなってしまうもの。さっそくお気に入りの風鈴を見つけましょう。

見た目で選んでもOK

まず、風鈴選びに重要なポイントの一つ目は見た目です。もちろん音も重要ですが、どうせなら見た目にもこだわりたいところ。動物や食べ物などをかたどった可愛い風鈴がたくさんあります。

個性的で気になる一品を発見。「なんとなく、これ好きだな!」という決め方をしてもいいかもしれませんね。

蚊取り線香のぶたをかたどったものや、富士山など、日本らしいモチーフのものもあります。

岩手の風鈴は、名産品であるリンゴの形をしています。ねこやくまといった愛らしい動物の形をした風鈴はとても人気です。

やっぱり音で選びたい

「やっぱり音がよくなきゃ」と思ったら、こんどは風鈴の素材に注目してみてください。ガラス、石、竹……素材によって音の高低、長さが異なります。ぜひ、自分の好きな音色を探してみてください。

竹や炭の風鈴は、コロンコロンと優しい音がします。

石の風鈴はめずらしいですが、澄んだ美しい音が響きわたります。

音色を重視する人々に絶大な人気を得ているのが、南部風鈴です。りーん……と、どこか懐かしいような音を奏でます。この音を聞いていると、淡い夏の思い出がよみがえってくるような、そんな気分にさせてくれます。

夏の音色を飾ってみては

日本の夏を奏でる風鈴。お気に入りの一つを探しに、風鈴市に行ってみてはいかがでしょうか。ちり〜ん。夏の音色を、ぜひあなたの家にも飾ってみてください。

参考文献『【絵引き】民具の事典』河出書房新社
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