「海底熟成ワイン」三浦で引き揚げ 波に揺られ半年、まろやかな味に

半年間、海底で熟成させたワインボトルを持つ出口さん=三浦市・小網代湾

 三浦市・小網代湾で半年間熟成したワインボトル約1700本が、海底から引き揚げられている。地域振興策として地元関係者が取り組んで2年目。依頼本数も前年の約4倍に増えるなど、関係者は手応えを感じている。

 適度な水温の海底に半年ほど寝かせた「海底熟成ワイン」は波とともに瓶がほどよく揺れ、まろやかな味になるといわれている。小網代湾では、地元の観光団体や漁業組合などで構成する「小網代観光振興活性化検討協議会」が2020年から本格的に展開。熟成中の委託管理料が漁業者支援にもつながっている。

 ワインボトルは昨年12月、湾内の水深10~15メートルの砂地へ鉄の籠に入れて沈めた。20日に引き揚げた約600本は目立った損傷もなく、同協議会役員の出口浩さん(59)もフジツボが付着したボトルを眺めながら「順調に熟成した。今後も継続していきたい」と満足そうだった。

 引き揚げ作業は今月中に終える。

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