ツーブロックOK、中学生らしくないそり込みNG 校則変更へ責任、悩んだ生徒会 「学校指定色」も決めた

オンラインによる全校朝会で校則の見直しについて説明する生徒会(神川中学校提供)

 埼玉県神川町新里の神川中学校(内田隆一校長、生徒数312人)で、癖毛に悩んでいる生徒を保護者の判断で縮毛矯正(ストレートパーマ)をかけられるなど学校の決まり(校則)の一部を変更する原案が生徒間で承認された。試行期間は9月から来年3月末まで。本年度末に生徒会本部役員が検証していく。

 昨年秋、現在の生徒会本部役員が発足。「何かを変えたい」という熱い思いから当時の1~3年生316人に学校生活の不満や改善についてアンケートを実施した。72%の回答で最も多かったのが、髪型や服装の改善だった。その結果を基に、生徒会本部役員が内田校長と懇談し、同本部役員、生徒指導と生徒会担当の教諭、内田校長で原案を作成。さらに職員会議で原案の協議を進めてきた。

 主な改訂は12点。頭髪は全面的に見直し、トップが長めでサイドや襟足を短めにカットする「ツーブロック」を認めることにしたが、中学生らしくないそり込みなどは禁止にした。黒と紺、グレー、茶、白、深緑の6色を「学校指定色」にして、防寒着のセーターやトレーナーの色の規定を学校指定色にした。過ごしやすく、楽しい学校を掲げて生徒会長に当選した3年生の新井晃杜(あきと)さんは「早く校則が変わって皆に喜んでもらいたい」と説明する。

 生徒会本部役員では「変更をするには責任もある」と悩んだ時期もあった。原案は各学級ごとに話し合い、1人ずつ投票し、賛成多数で承認された。同校も「より良いものにしていきたい」と話す。

 3年生で副会長の伊藤翼さんも「この学校に通えて良かったと思える学校になってほしい」と後輩を思う。同じく2年生の副会長、飯島心花(ここな)さんも「一人一人の意見が反映され、頑張ってきて良かったです」と手応えを感じている。

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