6月23日夜、静岡県静岡市の清水港に入港した大型貨物船の船首に、クジラが引っかかっているのがわかりました。クジラはすでに死んでいて、出港後に外れ、現在、駿河湾を漂流しているとみられます。
清水海上保安部によりますと、23日午後6時半頃、九州から清水港に向けて航行していた大型貨物船「RORO船」の船員が、船の球状船首(バルパスバウ)に、クジラが引っかかっているを見つけました。
クジラの体長は約10メートルで、すでに死んでいました。調査した東海大学によりますと、ヒゲクジラ類だということです。
清水港で船員らが死骸を外そうとしましたが、出港時間の都合で作業が終わらず、そのまま、九州方面へ向けて出港。同日午後11時45分頃、船員が確認したところ、
すでに外れて、姿がみえなくなっていたということです。
クジラの死骸が外れたとみられるのは、静岡市久能山の南東約12キロの駿河湾で、清水海保では現在も漂流しているとみて、周辺を航行する船舶に注意を呼び掛けています。
船員によると、航行中、何かに衝突したような衝撃はなかったということで、清水海保では、死んで漂流していたクジラが何かの理由で引っかかったのではないかとみています。
クジラが船首に引っかかるという出来事は、2021年9月に岡山県の水島港で確認されているということですが、清水海保の職員は「この辺では聞いたことがない」としています。