矢掛の魅力 アマ無線電波に乗せ 愛好家 道の駅から発信、観光PR

道の駅から無線で矢掛をPRするアクティブハムクラブメンバー

 岡山県矢掛町内のアマチュア無線愛好家らでつくる「アクティブハムクラブ」(中田隆文代表)は、道の駅「山陽道やかげ宿」(同町矢掛)に無線機とアンテナを臨時で設置、全国の愛好家と交信して矢掛をアピールする試みを初めて行った。現地に出向いて観光PRが難しい新型コロナウイルス禍で、新たな発信手法として期待が高まっている。

 今月4日、道の駅2階デッキに高さ約5メートルのアンテナがお目見えし、利用客らの注目を集めた。同クラブメンバー4人は、無線の機材を設置し電波を発信。コールサイン(呼び出し用符号)に加え、道の駅から電波を出していることをアナウンスすると、早速、電波をキャッチした香川県の愛好家と交信した。メンバーは、矢掛が宿場町の面影を残した町並みであることや、道の駅が開業1年を迎えにぎわっていることなどを紹介した。

 その後も大阪府枚方市や茨城県笠間市、神奈川県茅ケ崎市などの愛好家と次々に交信。この日は午前中の2時間ほどで北海道から九州まで約30人に矢掛の魅力を伝えた。午後は国外にも電波が届き、中国の愛好家と互いに英語で会話した。

 今回の試みはアクティブハムクラブが町と道の駅と連携した。様子を見守っていた産業観光課は「こんなに短時間で簡単に、国内外へ発信できるとは驚いた。直接語りかけているのでPR効果も期待できる」と話した。

 交信後に、証明や記念の意味を込めて相手に郵送する無線交信記録カードには、道の駅と宿場町を上空から撮影した同課提供の写真を利用し、さらに矢掛をアピールする。同クラブは、今後も道の駅や町内の公共施設から無線を通しての観光PRを考えており、中田代表は「愛好家が交信した場所を訪問することはよくある。電波に矢掛の魅力をたくさん乗せたい」としている。

道の駅に設置されたアマチュア無線のアンテナ

© 株式会社山陽新聞社