梅雨対策グッズ商戦が本格化 カラフル雨具や防水靴 家電も好調

「フルトン」の帽子やかばんを集めた岡山高島屋の特設コーナー

 梅雨シーズンを迎えた岡山県内の小売店で、関連グッズの商戦が本格化している。今年は中国地方の梅雨入り(14日ごろ)が昨年より1カ月ほど遅かったこともあり、各店は予定期間を延長してカラフルな雨具の特設コーナーを開いたり、天候に関係なく履けるおしゃれな靴を充実させたりしてアピール。室内を快適にする家電も売れている。

 岡山高島屋(岡山市北区本町)は2階の婦人洋品売り場に、英王室御用達ブランドとして知られる「フルトン」の雑貨を集めたコーナーを今月上旬に開設。梅雨入りが遅かったため、中旬までの予定だった展示期間を2週間ほど延ばして売り込んでいる。

 売れ筋は、ともに撥水(はっすい)加工を施した生地製の鮮やかな色合いの帽子(4400円)と、スマートフォンや財布などが入る小型のかばん(3080円)。売り場担当者は「アウトドアレジャーなど幅広いシーンで活用できる点が人気を集めている」と話す。

 雨天時でも気兼ねなく履ける靴をそろえるのは天満屋岡山店(同表町)。防水加工をしたエナメル製のパンプスや、職場にもなじみやすい撥水加工生地を使ったシンプルなスニーカーなど約50種類を展開する。中心価格帯は1万5千円前後。同店は「外出時の急な天候変化にも対応できる。プライベートでも履きやすいデザインなので手に取るお客さんも多い」とする。

 じめじめ感や蒸し暑さを乗り切る商品のニーズも高まっている。ホームセンターのタイム中庄店(倉敷市松島)が力を入れるのが部屋の空気を循環させるサーキュレーター。15種類を扱い、3千円台の手ごろなタイプや30畳の部屋に対応する多機能なもの(1万6280円)がよく出ているという。エアコンと併用したり部屋干しの洗濯物を乾かしたりする用途での購入が目立ち、「電気代が値上がりしていることもあり、エアコンの節電につながる点をアピールして売り上げを伸ばしたい」と担当者。

 ヘアケア商品を売り込むのは雑貨店の東急ハンズ岡山店(岡山市北区下石井)。湿気でまとまりにくい髪を抑えるアイテムとしてマスカラタイプのスタイリング剤(990円から)を薦める。ジェル状の液体が付いた小型ブラシを髪に当てて使う。持ち運びに便利で10~20代の若者が購買層の中心だが、同店は「実演販売などで手に取ってもらう機会を増やし、幅広い世代にアピールしていく」としている。

 岡山地方気象台によると、向こう1週間の県内の天気は雨の降る日は少なく、気温が高い日が多くなると予想されるという。平年の中国地方の梅雨明けは7月19日ごろ。

天満屋岡山店はエナメル生地のパンプスなどを推す

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