原爆の恐ろしさ学ぶ 被爆者 平岩小中で体験談語る

 日向市の平岩小中(向江修一校長、199人)で21日、被爆者から原爆の恐ろしさなどを教わる「被爆体験講話」があった=写真。中学1~3年生の65人が、13歳の時に被爆した長崎市の丸田和男さん(90)から、当時の被害の状況や現在の国際情勢への懸念などを聞き、平和の尊さを胸に刻んだ。
 原爆で母を失い、体に無数のガラスが刺さるなどの重傷を負った丸田さん。母の死を伝えられたものの人が次々死んでいく地獄のような状況に「悲しい気持ちが起きなかった」と回顧。「いた場所の違いで運命が分かれ、今も遺骨が帰ってない友もいる。亡くなった人の分まで生き、当時のことを伝えたい」と語り部を続ける理由を説明した。
 ウクライナ侵攻にも触れ「罪のない人の命が奪われ核兵器使用の脅威が現実的になっている。人間とはそんなに愚かなのか。みんなで声を上げましょう」とメッセージを送った。3年の徳重榎凛さん(14)は、「戦争は恐ろしいものだと思った。今回の話を心に留め後世へ伝えていきたい」と話していた。
 同講話は日向市が2004年から取り組む事業で、同日は美々津中でも講話が開かれた。

© 株式会社宮崎日日新聞社