国立西洋美術館がリニューアル!約1年半で何が変わった?徹底解剖

東京・上野にある「国立西洋美術館」。日本を代表する美術館の1つとして有名ですよね。2020年から約1年半、工事のため全館休館をしていましたが、2022年4月よりついにリニューアルオープンしました。リニューアルで何が変わったのか? 世界文化遺産の前庭が本館開館当時の姿に? リニューアルのため全館休館していた美術館の謎を紐解きます。

(C)国立西洋美術館 ※無断転載不可

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フランスの建築家「ル・コルビュジエ」が設計した国立西洋美術館

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1959年に開館し、日本を代表する美術館の1つとして歴史を刻んできた「国立西洋美術館」。20世紀を代表するフランスの建築家「ル・コルビュジエ」による基本設計です。

美術館としてはもちろん、その建築にも多大な価値があるとされています。2016年には、本館と前庭を含む敷地全体がユネスコの世界文化遺産に登録されました。

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しかし世界文化遺産の登録の際、ル・コルビュジエの設計意図が一部失われていると指摘があったのだそう。そこで今回のリニューアルでは、前庭を本館開館当時の姿にできる限り戻すよう工事がされました。

約1年半の時を経て前庭をリニューアル

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約1年半をかけてリニューアル工事された国立西洋美術館の前庭。植栽を最小限にし、西側の門からのアプローチと外との連続性を持たせるため、透過性のある柵を当時の状態に戻したのだそうです。上野公園と連続しているような、開かれた広場空間へと再生されました。園路から彫刻や本館を見渡すことができますよ。

前庭が本館開館当時の姿に!ル・コルビュジエの描いた建築空間

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また有名なフランスの彫刻家「オーギュスト・ロダン」の《考える人(拡大作)》、《カレーの市民》の位置もできるだけ当初の位置に再現。さらにル・コルビュジエが考案した建築の基準寸法システム「モデュロール」による床の目地も、細部にわたって復原されました。

園路から前庭、本館へと、ル・コルビュジエの思い描いた建築の世界が広がっています。

吹き抜けの空間「19世紀ホール」が無料に

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リニューアル後は、これまで有料エリアであった本館の「19世紀ホール」が、当面、無料開放されています。建物の中心にある吹き抜けの大空間で、国立西洋美術館の常設展では起点となる場所。天井にある三角形の明かりとりの窓からは、やわらかい自然光が降り注ぎます。

ル・コルビュジエのアイデアが反映されたホール

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19世紀ホールからスロープをのぼって2階に進むと、ホールをぐるりと取り囲むように、展示室をめぐる設計になっています。こうした螺旋状の動線は、ル・コルビュジエの「無限成長美術館」のアイディアを反映しているとのこと。核となる部屋を中心につくり、コレクションの増加と共に展示スペースを外側に増築していく構想です。

彫刻家「ロダン」の作品を展示

19世紀ホールは、近代の始まりにあたる技術や芸術を象徴する空間として、印象派を中心とした展示が構想されていたそう。またル・コルビュジエによる写真壁画の設置も計画されていました。

現在は、前庭にも作品があるフランスの彫刻家「オーギュスト・ロダン」の作品が展示されています。無料開放された19世紀ホールで、ル・コルビュジエの世界観に没頭してみたいですよね。

国立西洋美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7

開館時間:9:30~17:30(金・土曜は20:00まで)

※入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日(祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始

※その他、臨時休館日があります。詳細はHPをご覧ください。

HP:https://www.nmwa.go.jp/

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