同じ校名「最後」の交流 3年前の台風きっかけ「やっと会えた」 さいたま常盤中と栃木・佐野常盤中 

佐野市立常盤中学校の岡本桂馬校長(左)に手づくりのうちわを手渡すさいたま市立常盤中学校の小野塚琉成さん=22日、埼玉県さいたま市立常盤中学校

 埼玉県さいたま市浦和区の市立常盤中学校=生徒数888人、渡辺祐子校長(60)=の体育祭に22日、栃木県佐野市立常盤中学校=生徒数43人、岡本桂馬校長(53)=の生徒が訪れ、交流した。3年間交流を続けてきたが、少子化の影響で佐野常盤中が2022年度をもって、近隣の学校と統合することが決定。今回が最後の交流となり、体育祭に組み込まれた交流会「虹のプロジェクト」で絆を深めた。

 両校の交流は19年10月の台風19号がきっかけ。佐野常盤の学区が被害を受け、同じ校名の縁から、さいたま常盤が同校を支援。千羽鶴や募金を届け、生徒同士の交流が始まった。昨年度、一昨年度はコロナ禍の影響でお互いの学校を紹介し合う、オンラインによる交流を実施。同プロジェクト最終年は両校生徒の顔合わせが実現。記念品を交換したり、両校の生徒がリレーで競い合った。

 さいたま常盤中学校の渡辺校長は「43人と888人が一緒に過ごす1日。やっと思いが通じた」と話し、佐野常盤中学校の岡本校長は「皆さんからたくさんの支援をもらった。コロナ禍でも交流を続けてくれた」と感謝した。

 さいたま常盤中学校の西村凛心生徒会長(15)は「同じ校名で交流できてうれしい。またどこかで会いたい」。佐野常盤中学校の亀山さくら生徒会長(15)は「リモートでの交流が続いたがやっと会えた。この交流は心に残る。大切にしたい」と思い出に残る1日を過ごした。

© 株式会社埼玉新聞社