傷病休職最長5年、妊活や育児サポート 栃木トヨタが人事制度改定

栃木トヨタ自動車が導入した「あんしんサポートハンドブック」(上)など

 栃木トヨタ自動車(宇都宮市横田新町、新井孝則(あらいたかのり)社長)は人事制度を改定し、「傷病」「育児」「シニア」に関する就労支援を拡充した。治療や妊活で長期休業する場合の就労支援など「長く安心して働ける環境づくり」をテーマにしており、今月から導入した。

 人生100年時代といわれ、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となる中、同社は昨年、社員向けのアンケートを実施。寄せられた声を踏まえ、改定した。同社の従業員数は649人(3月末現在)。

 傷病に関しては、治療・療養、リハビリ、治療と仕事の両立に期間を分けて制度を整理。従来、最長1年6カ月としていた休職期間を、同5年まで延長できるようにした。1年6カ月以降は傷病手当金がなくなるが、月最大5万円の団体総合生活保険補償が出る。また、やむを得ず退職した場合の復職制度を新設した。

 妊活の休職規定も新たに設けた。勤続1年以上なら1年6カ月、勤続1年未満でも6カ月休職が可能とした。新井社長は「今の時代、治療・療養しながら仕事をしている人がいるので、安心して長く働けるようにしたい。不妊治療も健康保険が適用になり、対応できるようにした」と話す。

 育児関連では、短時間勤務、時間外労働・休日労働を免除する規定を改定。幼稚園・保育園などの入園を前提に3歳までとしていた適用期間を、小学校入学前に拡大した。入園後も育児が大変なことに配慮したという。

 さらに、55歳を迎えた社員を対象とした新たな取り組みとして、60歳まで面談を4回実施する。仕事、マネー、スキルアップ、健康など相談したい内容に応じて面談し、安心して働ける環境づくりを支援する。

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