トンガの家族被災 クプさんに浄財 浅口の有志、募金手渡し激励

クプさん(右から2人目)に義援金を渡し、激励する渡辺さん(左端)ら

 1月に発生した南太平洋・トンガ沖の海底火山噴火による津波などで、家族が被災したトンガ出身の会社員クプ・シアオシさん(32)=浅口市=を支援しようと、募金活動に取り組んでいた市民有志が24日夜、集まった義援金をクプさんに手渡した。クプさんは近く一時帰国し、無事だった家族と再会を果たす。

 1月15日の大規模噴火発生直後、通信障害などの影響で一時連絡が取れなかったが、その後、母親ら家族全員の無事を確認。しかし、現地では新型コロナウイルス感染拡大でロックダウン(都市封鎖)が続き、食料品など物資の確保も容易でない状況という。

 苦境を知った友人の会社員渡辺宏章さん(47)=同市=らが同月下旬、クプさんもよく行く飲食店「加賀屋」(同所)に募金箱を設置。5月末までに義援金8万8596円が集まった。

 贈呈式が同飲食店であり、渡辺さんは「人当たりが良く、陽気なクプさんの力になりたいという思いが形になって良かった」と笑顔を見せた。義援金は食料品の購入のほか、津波で流された家の再建などに充てるという。クプさんは「義援金だけでなく、多くの場所で頑張れと声を掛けてくれたのが本当にうれしかった。日本人の温かさを家族にも伝えたい」と話した。

 このほか、クプさんが所属するラグビーチーム・岡山クラブ(岡山市)や玉島署、笠岡市社会福祉事業会・笠岡学園などからも浄財が寄せられた。

© 株式会社山陽新聞社