参院選公示後初の週末 大票田の長崎市で舌戦 各候補者、懸命に支持訴え

市民に手を振り、支持を訴える候補者=長崎市内

 参院選公示後初の週末となった25日、長崎選挙区(改選数1)の候補者は時折雨が降る中、大票田の長崎市を中心に選挙カーを走らせた。党幹部が応援に入った陣営もあり、各地で舌戦を繰り広げた。
 自民新人の山本啓介候補(47)は市南端の樺島からスタート。中心部の商店街では地元市議や県議らと一緒に練り歩き、店主らと笑顔で会話を重ねた。若者の姿が多く見られた茂里町の商業施設前でマイクを握り、「これからの長崎を、日本をどうしていきたいか、しっかり考えてほしい。一緒に変えていこう」と呼びかけた。演説を予定していた別の場所ではそばに学習塾があったため、急きょ取りやめる場面も。夕方まで各地を精力的に回り、支持を訴えた。
 維新新人の山田真美候補(50)は午前、市中心部の鉄橋で演説。「働くお母さん」を繰り返しアピールし、「子どもの明るい未来のため、一緒懸命仕事をさせてほしい」と主張。同党の梅村みずほ参院議員(大阪選挙区)も応援に駆け付け、「普通の感覚こそ国政には必要」と支持を求めた。午後は交流サイト(SNS)用の動画を撮影。二児の母でもある梅村議員と出産や子育てについて意見を交わし、政策を充実させるため「女性目線」の必要性を再確認した。
 共産新人の安江綾子候補(45)は市内の住宅地を中心に回り、団地など約20カ所で演説した。小江原2丁目のスーパー前では、賃金減少や物価高騰に触れ「大企業を優遇し、新自由主義の名の下に国民に対して自己責任を押しつける。こんな政治はもう変えよう」と与党を批判。車のクラクションで応援してくれる人や手を振ってくれる運転手に笑顔で対応した。選挙戦4日目にして既に声がかれているが、「最後まで力を尽くす」と述べ、車に乗り込んだ。
 立民新人の白川鮎美候補(42)は夕方、出島メッセ長崎で総決起集会。立民の泉健太代表、連合の芳野友子会長、国民民主県連代表の西岡秀子衆院議員(長崎1区)が出席し、労組関係者ら約600人が集まった。壇上の11人のうち7人が女性で、泉、芳野、西岡の3氏は演説で女性活躍の必要性を強調。3年前の参院選で敗れた白川氏は「今度こそ、今度こそは負けられない」と言葉に力を込め、「命と暮らしを守ることを最重要(のテーマ)に戦いを進めていく」と誓った。
 政治団体「参政党」新人の尾方綾子候補(47)は市街地から離れた地域を重点的に回った。日見公園前では、参院選に出馬するためドイツから帰国した経緯を説明し、日本人が自ら考えず「思考停止になっている」と危機意識の薄さなどを指摘。「既存政治では日本人が安心安全に暮らせる国づくりは無理。自分たちの手で新しい日本をつくっていこう」と国民の政治参加を呼びかけ、最後は集まった支援者らと一緒に「イチ、ニ、サンセイトウ」と腕を突き上げた。
 長崎選挙区にはNHK党の新人、大熊和人候補(52)も立候補している。


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