カネミ油症 入院時食費支給は平行線 2年半ぶり対面3者協議 福岡

3者協議終了後、記者会見する被害者団体の代表ら=福岡市内

 カネミ油症事件の長崎県などの被害者と国、原因企業カネミ倉庫(北九州市)による第19回3者協議は25日、福岡市内で開催。被害者側は認定患者の入院時の食費を医療費として支給するよう改めて求めたが国は否定的で、議論は平行線をたどった。
 被害者救済策などを話し合う同協議は非公開で年2回開催。新型コロナ禍が影響し、対面形式では約2年半ぶり。認定患者に支給する医療費は、カネミ倉庫が政府米の保管費用から充当している。入院時の食費は以前は支給されていたが、健康保険適用の対象外となったため支給をやめており、今回も進展はなかった。終了後に会見した被害者側は「引き続き求めていく」などと述べた。
 全国油症治療研究班(事務局・九州大)が認定患者の子や孫ら次世代を対象に実施している本年度分の調査に関し、被害者側は10月末までの調査票回収期限を次世代やその家族らに周知するよう要望。国側は各都道府県を通じて周知する考えを示した。


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