薬学教育の原点学ぶ 児童ら講義受け薬草植える 長崎・仁田佐古小 分析窮理所遺構整備を記念

遺構の周りに薬草を植える児童=長崎市立仁田佐古小

 長崎大薬学部の源流に当たる「分析窮理所」の遺構の整備完了を記念するイベントが20日、遺構跡地に立つ長崎市西小島1丁目の市立仁田佐古小であった。6年生や地域住民らが同大薬学部の川上茂教授の講義に耳を傾け、日本の薬学教育の原点を学んだ。
 市教委主催。分析窮理所は、日本初の近代西洋式病院「小島養生所」内に、オランダ人医師ボードインが1865年に設立。遺構は2017年、同校の新校舎の建設に伴う発掘調査で石垣などが出土。市教委が20年、遺構を新校舎運動場の一角に移設し、昨年3月末に整備を終えた。
 川上教授は「分析」は化学、「窮理」は物理を意味していたと説明。「日本の化学教育の始まり。薬学の発展に大きく貢献した」と紹介した。
 この後、児童らはミントやセージなど5種類の薬草の特徴を学び、苗を1本ずつ遺構そばに植え付けた。松村紀保さん(12)は「今日学んだことを下級生にしっかり伝えたい」と話した。

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