俳優の津田寛治さん「自分の人生を全てぶち込んだ」 故郷福井で出版記念トークショー、ファン500人に熱い思い語る

初の著書「悪役」を手に、笑顔を見せる津田寛治さん=6月25日、福井県福井市のテアトルサンク

 パーソナルブック「悪役」を出版した福井県福井市出身の俳優津田寛治さん(56)の記念トークショーが6月25日夜、同市のテアトルサンクで行われた。津田さんは「幼少期からの自分の人生を全てぶち込んだ。心残りがない本になった」と、初の著書への思いを語った。

 津田さんは1993年に北野武監督の「ソナチネ」で映画デビュー。2002年に森田芳光監督の「模倣犯」で第45回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞するなど映画、テレビなどで広く活躍している。

⇒「本を出すのは最初で最後」津田寛治さん初の著書「悪役」

 「ごった煮のようになった」(津田さん)という著書は、自身のインタビューやエッセー、多くの映画監督に引き合わせてくれた故大杉漣さんら俳優仲間の寄稿など約40年の俳優人生を凝縮した内容。津田さん自身が描いた絵画も収録している。

 トークショーには県内外から約500人のファンが詰めかけた。津田さんは「ずる賢く生きてきた問題児で学校でも『悪役』、俳優人生の転機になったのも『悪役』だった」とタイトルに込めた思いを語った。

 50歳を過ぎてから芝居に変化があったといい、「自分の芝居にいまひとつ納得していなかったが、理想の芝居に近づけるやり方が見えてきた。いろんな仕事で試して、役者のスキルを上げていきたい」。県などが企画した「福井の方言愛着ましましプロジェクト」で「おもてなし担当知事」に就任しており、古里福井に「死ぬまで恩返しがしたい」と誓った。

 出版を記念し6月26日から7月3日まで、福井市の福井新聞社・風の森ギャラリーで、津田さん初の個展を開き、「悪役」に収録された絵画などを披露する。入場無料。26日午前9~10時半と午後1~2時半は、津田さんが来場者を迎える。

© 株式会社福井新聞社