復讐の暗殺者マギー・Q!『マーベラス』 はクールなエレクトロ・スコアも必聴!! ドラムンベースの鬼才フォーテックが音楽担当

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions, Inc.

マギー・Q×マイケル・キートン×サミュエル・L・ジャクソンが体現する“超一流の美学”

香港映画『レディ・ウェポン』(2002年)で注目を集め、『M:i:III』(2006年)と『ダイ・ハード4.0』(2007年)で本格的にハリウッド進出を果たしたマギー・Q。テレビシリーズ『NIKITA/ニキータ』(2010~2013年)やトーリ・ウーを演じた『ダイバージェント』シリーズ(2014~2016年)も終了し、彼女のアクション映画での活躍を待ちわびた方も多かったと思われる。2022年7月1日(金)公開の『マーベラス』は、彼女が主演を務めるキリングアクション最新作である。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions, Inc.

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本作でマギーが演じるのは、裏の世界でトップクラスの腕を誇る暗殺者のアンナ。彼女の命の恩人であり、師匠でもある老練の工作員ムーディを何者かに殺され、恩師の復讐と事件の真相究明の戦いに身を投じていく。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions, Inc.

マギーは射撃や格闘はもちろん、危機的状況からの脱出、容赦ない拷問からの反撃などの激しいスタントをこなす一方で、元モデルのキャリアを活かし、様々な衣装をスタイリッシュに着こなしてファンを魅了する。そして28歳の年齢差があるマギーと互角の戦いを繰り広げる用心棒レンブラント役のマイケル・キートン、十八番の“マザファカ節”を交えて師匠キャラを快演するムーディ役のサミュエル・L・ジャクソン、裏社会の内情に詳しいバイカー役で登場するロバート・パトリックの三人のベテラン俳優が、殺伐とした物語に人間味を与えている。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions, Inc.

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英国クラブミュージック/ドラムンベース界の鬼才アーティストが音楽を担当

監督を務めたマーティン・キャンベルは『007/ゴールデンアイ』(1995年)と『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)で有名だが、「アジア系主人公のリベンジアクション」ということで、本作は『ザ・フォーリナー/復讐者』(2017年)の流れを汲む作品と言えるだろう。音楽についてもその傾向が見られ、シンセスコアを作曲した『ザ・フォーリナー』のクリフ・マルティネスに続いて、今回はドラムンベース界の鬼才“フォーテック”ことルパート・パークスが音楽を担当している。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions, Inc.

1990年代に英国のクラブミュージックシーンで頭角を現したフォーテックは、ケミカル・ブラザーズやアンダーワールドらに比べると通好みのアーティストという印象だった。しかしソロアルバムはいずれも高い評価を受け、ゲームソフト『ワイプアウトXL』(1996年)の「The Third Sequence」や、『ブレイド』(1998年)で使われた和テイストのドラムンベース曲「Ni-Ten-Ichi-Ryu」など、映画やビデオゲームに提供した楽曲も好評を博し、彼の名前は一般リスナーにも広く知られるようになった。近年はドラマシリーズやドキュメンタリー映画、『ライフ・イン・ア・イヤー ~君と生きた時間~』(2020年)などのスコア作曲も手掛けている。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions, Inc.

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今回の『マーベラス』で、フォーテックは緻密な電子音とストリングスを融合させたクールなエレクトロニック・スコアを作曲している。同じ女性暗殺者の映画でも、自分たちの個性を前面に出したケミカル・ブラザーズの『ハンナ』(2011年)とは異なり、フォーテックは自身の持ち味であるドラムンベースのリズムパターンは控えめに、「音と映像の調和」を重視したストイックな曲作りを行っているのが興味深い。映画音楽への取り組み方としては、『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000年)のクリント・マンセル(元ポップ・ウィル・イート・イットセルフ)や『オーシャンズ11』(2001年)のデヴィッド・ホルムズに近いのかもしれない。

『マーベラス』オリジナル・サウンドトラック 音楽:フォーテック 発売・販売元:Rambling RECORDS Inc. 品番:RBCP-3439

登場人物の日常やアクションシーンを彩った楽曲たち

サウンドトラックアルバムには未収録だが、劇中では既存のポップミュージックもいくつか使われている。“ブカレストの殺人王”ドン・プレダの暗殺ミッション完了時に流れるのは、カリフォルニア出身のソウル/ロック系シンガーソングライター、ドラン・ダノフの「So Bad」。ちなみにダノフは「ナオミの夢」のヒットで知られる往年のフォークデュオ、<ヘドバとダビデ>のヘドバ・アムラニの息子である。

アンナの日常を描いたシーンで聞こえてくるのは、伝説的ジャズ・シンガーのニーナ・シモンが歌う「Feeling Good」と、シアトル出身の7人組ソウル/ファンクバンド、ザ・ディップの「She Gave Me the Keys」。ニーナの歌は『トーマス・クラウン・アフェアー』(1999年)や『Mr.ノーバディ』(2021年)など映画のサウンドトラックでも人気だが、やはりブリジット・フォンダが暗殺者を熱演した『アサシン』(1993年)が印象深い。

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ムーディの自宅で流れているのは、ザ・ビーチ・ボーイズの初期メンバーだったデヴィッド・マークスの「You Can’t Talk to Me」。アンナからプレゼントされた1958年製ギブソンのフライングVを手に取って、「アルバート・キングも弾いたギターだ」と満足げに語るムーディらしい選曲だ。

『マーベラス』© 2021 by Makac Productions, Inc.

そして物語後半、アンナとレンブラントの死闘の最中に、部屋のオーディオのスイッチが入っておもむろに再生されるのは、「黒いジャガーのテーマ」でおなじみアイザック・ヘイズの「That Loving Feeling」。激しい格闘戦と、ヘイズの特濃セクシーヴォイスによるディープなラブソングという組み合わせが、真面目に観るべきなのか笑っていいのか判断しかねる妙な雰囲気を醸し出している。本作で最もインパクトのあるシーンとなっているので、是非ご覧頂きたい。

文:森本康治

『マーベラス』は2022年7月1日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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