沖縄戦、語り継ぐ創作劇披露 津山市民らに美作大・短大生

沖縄戦をテーマにした創作劇を上演する沖縄県人会の学生

 太平洋戦争末期の沖縄戦をテーマにした美作大・短期大学部(津山市北園町)の沖縄県出身学生による創作劇「時をこえ」が26日、同大で披露され、市民ら約300人が沖縄の悲惨な戦争の歴史や平和の大切さを改めて胸に刻んだ。

 小学2年生の少女が沖縄戦を経験した曽祖母の話を母親から聞くというストーリーで、上演時間は約1時間。県人会の1、2年生有志41人が両親や兄、姉を亡くしても最後まで必死に生きる当時小学生だった曽祖母や、ガマ(洞窟)の中で泣き続ける赤ん坊を殺そうとする兵士、負傷した兵士を苦渋の決断で見捨てるひめゆり学徒隊員らを熱演した。

 戦禍に巻き込まれ、家族や友人と引き裂かれた若者らの悲痛な叫びを迫真の演技で訴える学生たちの姿に、多くの観客は涙を浮かべて見入っていた。主婦(70)=同市=は「戦争体験者が少なくなる中、当時を知らない学生が後世に語り継ぐのはとても大切だと思う」と話した。

 沖縄戦を知ってもらおうと2013年から毎年上演。沖縄の日本復帰50周年の今年、初演から10回目の節目を迎えた。

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