制服で笑顔躍動、働く人を一枚に 横浜の企業、応援プロジェクト ユニホーム会社の企画始動

ローズホテル横浜の写真

 働く人を写真で元気に―。横浜市内の企業を、写真家が撮影するプロジェクトが始まった。社員の笑顔や仕事の魅力が詰まった躍動感ある写真は、日々の業務を改めて見直す機会になったと好評で、コロナ禍で減りつつある社内交流にも一役買っているようだ。

 5月中旬の夕方、横浜中華街にあるローズホテル横浜の屋上。30台のフラッシュが囲む中、ホテル従業員がさまざまなポーズでカメラに向かっていた。

 「最後です。一番の笑顔でお願いします」。撮り終えると、「ありがとうございました」の声とともに、参加者の拍手が響いた。

 撮影は午前中から続いた。せいろを持ちながら飛び込むポーズを何度も繰り返したフロントサービス係主任の玉川翔太郎さんは「普段は一緒に働いていない仲間と楽しみながらできました。やっていくうちに一体感も出てきました」と汗をぬぐった。

 獅子舞も登場し、役職ごとに違う制服を夏用と冬用の両方着用するなど演出もこだわった。1カ月後に完成した画像を見て、総務部担当者は「堅くならず明るい、うちらしさが出た一枚」とうなずいた。

 撮影した写真家の杉山雅彦さん=静岡県=は「ホテルの従業員を撮るのは初めてだったが、多様な人材が集まる雰囲気が出たのでは。天気にも恵まれた」と話す。これまで130の企業・団体などを撮影し、3年前には写真集「ニッポンのはたらく人たち」を出版。いずれもほぼ合成なしの一発撮り。いい表情やタイミングのよいジャンプなどが撮れるまで、一日がかりの撮影になる。

 プロジェクトを企画したユニホーム会社「ダイイチ」(横浜市中区)の担当者は「『ユニホームを通じて企業のスタッフを“スター選手”にしたい』という社の理念にマッチした」と語る。取引先に打診して展開し、撮影した写真は求人広告などで各社に活用してもらっている。

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