参院選に暗雲!逃げずに正面から原発再稼働、憲法改正を訴えよ!|和田政宗 酷暑のなか、もし電力が止まり冷房が止まってしまえば、命の危機にもつながる。国民は根本的な対応を求めており、もしそれを打ち出すことができなければ、大変な結果が待っているだろう。この1週間が決断すべき期間である。正面から訴えるべき政策については堂々と国民に訴えるべきだ。

内閣支持率は7ポイントも下落

参院選が始まり、序盤戦から中盤戦に突入した。自民党が勝利するとの観測が続いているが、世論調査の数字からは決してそうは言えない。調査サンプル数の多い共同通信社の世論調査が一定の判断材料になるが、選挙公示日と翌日に行った調査では前回2019年を下回る結果となっている。

今回の調査では、自民党は「60議席台狙う」との見出しになっているが、そうであれば現状で58ないし59議席との数字である。前回2019年はどうであったか。

前回は明確に議席数予想が出ており、自民党は65議席プラスマイナス4議席との予想だった。そして結果は、57議席。今回も前回のように予想から議席数が目減りすれば、55議席を割り込む危険性がある。そうなれば実質的に負けと言われても仕方ない数字であり、我々はそれを食い止めなくてはならない。

読売新聞の最新の世論調査でも内閣支持率は3週間前に比べて7ポイントも下がっており、我々は危機的状況だと認識し、選挙戦を戦わなくてはならない。

選挙戦で各地に応援演説に行くなかで、皆様から岸田政権の政策に対する不満を多く聞く。なかでも最近特に多いのは、節電プログラムに参加した家庭にポイントを付与するという政策だ。その還元額が少なすぎるとの意見や、対処療法的であり電力ひっ迫への根本的対策にならないという意見もある。

これについては、まさにそうであるとお答えするしかなく、原発再稼働も含めて我が国のエネルギーの安定供給について国民が安心する政策を選挙戦の最中に強く打ち出していくべきであると私は考える。

参院選で正面から訴えるべき政策

金沢八景で応援演説

25日には「電力需給ひっ迫注意報」も出された。
この酷暑のなか、もし電力が止まり冷房が止まってしまえば、命の危機にもつながる。国民は根本的な対応を求めており、もしそれを打ち出すことができなければ、自民党支持層においても、原発再稼働を強く主張する日本維新の会などに投票する人が増えてくるであろう。

燃料高騰、資材高騰、体感での物価高についての追加対策を求める声も多い。私は参院選後に速やかに、直接的な財政出動である「真水」で50兆円の補正予算編成をすべきと述べてきたが、街頭でこの話をすると賛同される方が極めて多い。

すなわち、内閣支持率が下がってきているのは、こうした対策ができていないという不満であり、この先への不安なのである。我々はこうした国民の声をしっかり受け止め、政策に反映し実現しなくてはならない。

さらに、正面から訴えるべき政策については堂々と国民に訴えるべきである。25日に横浜駅西口で行った応援演説では、私は憲法改正について正面からお話しした。我が国を取り巻く環境がいかに厳しいものであるか、だからこそ国土と国民を守るためにすべきことをゼロベースで議論をし、必要な憲法改正を行わなくてはならないと主張した。

これについても多くの方が賛同してくださった。我が国の平和を守るためにすべきことをしてほしいと考えている方が多いのである。こうした意見をしっかり受け止めて、自民党が憲法改正の発議を速やかに行うということが見込めなければ、これも国民の失望につながり自民党への投票をやめてしまうことにつながる。

岸田総理の言動を国民は注視している

参院選は18日間という長い選挙戦である。これをどう戦い抜くかというのも重要な要素だ。通常の参院選の期間は17日間であるが、今年は沖縄慰霊の日と公示日が重なることを避け、22日の公示となった。こうした長い選挙戦においては、序盤の情勢と投開票日の結果が大きく異なる、逆転が起きる可能性が高くなるのである。

実際に前回2019年の参院選は、自民党は共同通信の世論調査で序盤は65議席予想であったのが結果57議席であったことは先にも述べた。「自民圧勝」の逆アナウンス効果で議席が減った。そして、私の1回目の選挙でも参院選特有の選挙戦の長さで最終的に逆転をすることができた。

2013年の参院選、当時の宮城県選挙区の定数は2であり、自民、民主の指定席であったが、私が第三極のみんなの党公認を得て立候補。序盤で自民現職が抜け出し、民主党副代表の現職が「先行」、新人の私が「追う」との世論調査だったが、最終的には5102票差で私が2位で当選した。

「先行」「追う」の表現は約10ポイント差がついているときに使われるが、中盤では「競る」となり、最終的には逆転することができた。これは選挙戦の運動量の差と、知名度拡大によって実現することができたが、現状でこのような状態に置かれている与野党候補がいても、残りまだ2週間近くも選挙戦はあり、やり方次第で逆転は可能なのである。

この長期戦のなかで、我が自民党は国民の声に真摯に向き合わなくてはならない。電力ひっ迫のなか、岸田総理はG7首脳会談からNATO首脳会談に臨む。岸田政権がどう立ち居振舞うのか、国民は注視している。

外交のリーダーシップを取り、ロシアに対する制裁を強め、様々な価格高騰があってもウクライナを守るという断固たる強い意志、そして、日本経済、国民の暮らしにしっかりと手を打つことを示せるのか。

この1週間が決断すべき期間である。国民の評価は参院選の投票行動で明らかになる。国民の意見を受け止められなければ大変な結果が待っているとの覚悟で、引き続き戦いに臨みたい。

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和田政宗

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