動物園悲鳴「停電したら生き物の生命線が…」初の“ひっ迫注意報”節電に知恵絞る

経済産業省は気温上昇に伴い「電力需給ひっ迫注意報」を初めて発令し、節電を呼びかけました。東京電力管内の市役所や観光施設は節電に取り組むなど、対応を図りました。

<沼津市役所内のアナウンス>

「本日、東京電力管内における電力需給は厳しい見通しとなっています。庁内における節電をはかるため、各課においては可能な限り、照明の使用を控えていただきますようお願いします」

東京電力管内となる静岡県沼津市です。市役所では、午後2時過ぎに節電対策の協力を職員に呼びかけました。政府は電力需給がひっ迫する可能性があるとして、電力需給ひっ迫注意報を発表。東京電力の電力供給の余力を示す「予備率」が5%を下回る見通しとなったためです。沼津市役所では、午後から照明を消したり、エアコンの温度を上げるなど節電にあたりました。

<沼津市広報課 矢田隆之課長>

「きのうぐらいから(電力がひっ迫する恐れがあると)情報が入っていたので、職場でも時間になったら、何かしらの対策をしようと準備を進めていたところです」

静岡県内は6月27日、厳しい暑さとなり、三島市では今年最高の33.9℃。

<中西結香記者>

「歩道の大理石が暑さの影響でのびて、このように浮き上がってしまっています」

厳しい暑さの影響で歩道の大理石が膨張し、住民が通行者に注意を呼び掛けていました。

<中央町商店会長 谷村和男さん>

「熱で少しづつ歩道の石が伸びて、押されて弱いところでバーンとぶち上る。暑いから、きょう。異常に」

暑い中での節電について市民は。

<市民>

「1番は薄着して、あとは冷たいもの、水分をやっぱり取りますね。取らないとやっぱり怖いじゃないですか。熱中症」

三島市役所では、午後3時から午後6時まで冷房の設定温度を上げたり、使っていない機器の電源を落とすなど、できる限りの工夫をしました。

<三島市環境政策課 井上篤主幹>

「プリンターの電源をオフにする。その間は印刷はやめようかなと。あと、パソコンの充電を外して2時間くらいであれば、バッテリーでもちますので、こういうことに取り組もうと思っている」

節電対策は、市役所だけではありません。

<体感型動物園iZoo 森悠飼育課長>

「(こちらは?)普段展示していないバックヤードですが、お客さんが見ている展示は電気とか消灯するわけにはいかないが、裏で管理している生き物に関しましては、午後イチで十分温まった子たちに関しては、消灯を早めて節電に協力できたらと対応しています」

河津町の爬虫類専門動物園「iZoo」でも、節電対策を始めていました。温かい場所を好む爬虫類にとって熱は重要で、ゲージには保温のためのライトがつけられています。普段は閉館する午後5時頃まではつけられているのですが、きょう27日から当面、午後からは消すようにしました。

<体感型動物園iZoo 森悠飼育課長>

「計画停電になってしまうと、生き物の生命線にもなってしまうし、完全に電気を使わないということはできないので、困っているなという部分はあります」

経済産業省は記録的な猛暑に伴って、冷房の需要が高まり、あす28日もひっ迫注意報を継続すると発表しました。

家庭における夏の電気の使用割合で高いのはエアコン、そして冷蔵庫、照明となっています。この3つの節電のポイントは、エアコンは、室内の冷やし過ぎに注意して無理のない範囲で室内温度を上げる。26℃から2℃上げると節電効果(削減率)が5.4%もあります。目詰まりしたフィルターを掃除するのも効果的といいます。冷蔵庫は食品を詰め込みすぎないようにしましょう。これらをすることで節電効果、削減率は10%を超えます。熱中症の危険性もあるので、くれぐれも無理のないように乗り越えましょう。

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