V・ファーレン長崎 カリーレ監督就任会見 「長崎に名を刻みたい」

経営陣や新たなコーチと一緒に笑顔で撮影に応じるカリーレ監督(左から3人目)=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーJ2、V・ファーレン長崎の新たな指揮官に就任したファビオ・カリーレ監督(48)が27日、長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で記者会見に臨み「長崎でタイトルを取って名を刻みたい」と意気込みを語った。
 成績不振を理由に解任された松田浩前監督(61)の後任。2017年に母国ブラジルの名門コリンチャンスを1部優勝に導いたのをはじめ、中東のクラブを率いた実績もある。V長崎については「ボールを地面につけてパスをつなぐことができたら、もっと相手を上回れる」と改善点を指摘した。
 同席した髙田旭人会長は、監督交代が続いている現状を「(経営を引き継いだ)初めから中長期スパンで考えるべきチームだと考えていて、監督、コーチ、選手、スタッフとできるだけ長く同じ思いを持って積み上げていくのが理想だと思ってきた」と説明。「やっとこのタイミングでそう思える監督、コーチと出会えた」とクラブ初の外国人指揮官に大きな期待を寄せた。
 V長崎は現在6位。カリーレ監督は7月2日のアウェー甲府戦からベンチで指揮を執る。

◎一問一答 攻撃で「つなぐ」意識求める

「タイトルを取って長崎に名を刻みたい」と語るカリーレ新監督=トランスコスモススタジアム長崎

 ファビオ・カリーレ新監督の記者会見での冒頭あいさつと一問一答は次の通り。
 事前にジーコ(元日本代表監督)やネルシーニョ(J1柏監督)と話して、日本は魅力的で素晴らしい国だと聞いている。2012年にコリンチャンスのコーチで来日した際はクラブワールドカップで優勝できた。中東のクラブからオファーをもらって話が進んでいたけれど、V長崎からオファーが来たから遮断してこっちに集中した。これまで一緒にやってきたプロフェッショナルの仲間も来てくれるし、家族も一緒に暮らせる。

 -V長崎の印象は。
 前節秋田戦を現地で見た。ボールを地面に置いてつなげた時は、三角形の関係もできていたし相手の脅威になっていた。もっと勇気をもって出していくよう求めたい。守備に関しては組織的ですごくいい。常にそういうサッカーをできるように空気感をつくっていく。自分の考えはあるが、まずは現状を理解して変えるべき部分は変える。

 -目指すサッカーは。
 バランスの取れたサッカーだと思う。センターバックのパスから始まるゴールも多いし、逆にFWから守備を始めないといいディフェンスにならない。そこはすごく大事にしている。フォーメーションは4-2-3-1が一番好きだが、その戦術に見合った選手がいなければできない。4-2-4、4-1-3-2、3-4-3の経験もある。移籍市場が開くまでもう少し時間があり、まず今のメンバーを見たい。補強は必要かもしれないし必要ではないかもしれない。

 -レアンドロヘッドコーチ、デニス分析担当コーチと常に3人で仕事をしている。
 レアンドロは2017年にコリンチャンスから監督オファーを受けた時から5年半、一緒に仕事をしている。1996年にチームメートとしてプレーして以来の友達。デニスは映像や分析で結果を出してきた。とても仕事ができる2人。

 -今季の目標と中長期的な目標について。
 まだまだチャンスはある。来年J1にいられるようにしたいし、スタジアムができるまでにJ1にいたい。まずは今年。タイトルという意味でも人間性の部分でも、将来の長崎に名を刻みたい。


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