全校挙げてツバメの子育て見守り 日本野鳥の会、西陵高生らに感謝状

親鳥から餌をもらう雛たち=諫早市、西陵高(同校提供)

 日本野鳥の会(東京)は24日、ツバメの子育てを全校挙げて見守り、その様子を学校ホームページ(HP)で発信するなどしている長崎県諫早市の県立西陵高(福田雅子校長・709人)に対し、感謝状を贈った。同会はツバメと人との共存を願い、巣や生息環境を見守っている団体に2019年度から感謝状を贈呈している。県内では初めて。
 ツバメは職員室のベランダに営巣。4月から6月初旬にかけて産卵し、雛(ひな)を育てている。今年も5羽が誕生し、巣立っていったという。コロナ禍で長期休校となった20年度、生徒や保護者との心の接点を持ち続けようと、撮影した画像をHPに掲載。繁殖の季節には更新を続け、見る人を癒やし、命の大切さを伝えている。
 同会県支部の福田治男支部長らが学校を訪問。感謝状を受け取った福田校長は「学校に巣があることで、(生徒も教職員も)安らぎの気持ちになるのかなと思う。これからも巣立ちまで温かく見守っていきたい」と述べた。

感謝状を受け取った福田校長(左)=諫早市、西陵高

 昨年度は「(営巣場所の)賃料は無料」「賃貸期間は雛が巣立つ日まで」などとしたユニークな不動産賃貸契約書を作成。本年度はツバメを、架空の3年7組在籍の設定にし、名簿も作るなどすっかり学校の一員に。3年生の櫻木香子さん(17)は「雛が育っていく様子を見るのが楽しかった。そんな姿を見て、鳥も頑張っているのだから自分たちも勉強や部活動を頑張らなければという気持ちでいた。命の大切さを学んだ」と笑顔で話した。


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