横浜市民防災センター改修 災害時の対処法体験

 災害の実態や対処法を体験しながら学ぶ横浜市民防災センター(神奈川区沢渡)が1日、リニューアルオープンした。総額約8億円の改修費を投じた新センターの目玉は、災害発生から避難までの動きを実践する「減災トレーニングルーム」。いざという時、的確に身を守ることができるのか−。県内初導入の最新設備を記者が体験した。

 「神奈川県東部で地震発生」。記者を含む参加者6人でテレビを見ていると突然、緊急地震速報が鳴り響く。即座にテーブル下に逃げ込む。

 電気が消えて「ガシャン」と皿が割れる音が鳴り、皿や本などが落下して散らばる映像が壁や床に映し出される。持ち出し袋からヘルメットを取り出し、子どもにかぶせる。

 「ストーブから火が出ています」というアナウンスが響き、「パチパチ」という音とともに白壁が赤く染まった。「消火器は」「玄関の近くだ」−。夢中で“消火”していると、瞬く間に5分が過ぎた。

 終了後、センター職員は「速報が出たらすぐにブレーカーを落とし、火元を消さないと火災の原因になります」。記者の減災初体験は失敗…。ガラスの飛散防止のためカーテンを閉めることも重要だが、いずれも動転してできなかった。何より大切なのは、二次災害の原因を絶つことと、改めて自分に言い聞かせた。

 このほか「地震シミュレーター」は東日本大震災と同様の揺れを体験でき、「災害シアター」ではマグニチュード8の地震発生時の横浜の被害状況が一面に映し出される。市内各地の被害想定を一覧できる「ハザードマップ」や、ゲーム形式で消火器の使い方が学べる火災シミュレーターなども備えている。

 入場無料(月曜休館)。午前9時半〜午後5時。問い合わせは、同センター電話045(411)0119。

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