飲食店にスーパー、ホテル…神奈川の企業も進む〝脱プラ〟 コスト面で課題も

コロワイドグループの「フレッシュネスバーガー」で提供されている環境配慮型ストロー(コロワイド提供)

 企業にプラスチックの使用削減を促す「プラスチック資源循環促進法」が4月に施行され、神奈川県内の飲食店やホテルでも取り組みが進んでいる。石油由来のプラスチックのストローを廃止したり、客室のペットボトルを削減したり…。コスト面などで課題は残るものの、“脱プラ”が社会的なニーズとなる中、今後も環境に配慮した対応を続ける方針だ。

 外食大手コロワイド(横浜市西区)は5月、グループ傘下のレインズインターナショナル(同)が運営する焼き肉チェーン店「牛角」などで、微生物の働きで自然界へ返る「生分解性プラスチック」を使ったストローに切り替えたと発表。これにより、グループ内の全店舗で石油由来のプラスチックストローの提供が廃止された。

 発表時、コロワイドの野尻公平社長は「気候変動対策、海洋環境保全の観点からも脱プラの取り組みは、待ったなしとの認識」とコメント。グループとして2023年度までに、フォーク、ナイフなど「特定プラスチック5品目」の全てを環境配慮型に切り替える方針を示した。

 県内や都内を中心に食品スーパーを展開する富士シティオ(同市中区)は、運営する全49店舗で配布するフォークやスプーンなどのカトラリー製品を紙や木製に変更した。現在はプラスチック製の在庫を消化している状況だが、終了次第、順次切り替える。

 担当者は「品質の強度やコスト面ではプラスチック製が優位」と明かす一方、「環境負荷の少ない企業として、お客さまのなじみの店となれるよう取り組んでいきたい」と話す。

© 株式会社神奈川新聞社