運転中の死者率、全国ワースト1位は福井県 全国平均の3倍、安全意識高いとは言えず

 皆さんは、交通事故で車とぶつかった際の衝撃がどれくらいかご存じでしょうか。

 時速40キロで走行する車が壁に衝突する際の衝撃は、車が建物の2階から落下したときの衝撃と同じくらいと言われています。さらにこれが時速80キロとなると、なんと8階です。まさに命の危険を感じるのではないでしょうか。

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 車は身近で便利な乗り物ですが、自身を含め大切な人の命を不意に奪う「凶器」にもなり得ます。車を「凶器」にしないよう、ハンドルを握る際はこの話を思い出してください。

 さて日ごろ、運転中の安全について、どのように感じていますか。昨年、福井県の交通事故死者数は、過去50年で最も少ない26人でした。ところが人口10万人あたりの死者数でみると、全国ワースト8位です。

 さらにイタルダの分析によると、車の運転中の死者率が全国ワースト1位で、全国平均の約3倍であることが分かりました。つまり福井県は、運転に対する安全意識が決して「良い」とは言えない状況なのです。

 このようにわれわれはデータ分析から、身近な道に潜む「未知」の危険を知ることができます。福井の道の「凶器」を減らすため、これから一緒にデータから交通安全について考えていきましょう。(福井県庁県民安全課)

 イタルダ 交通事故総合分析センターのこと。過去5年間の福井県の交通死亡事故データに基づき、他県と比較した事故の特徴などについて分析。結果の概要を県のホームページで公開している。

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