「どうしても友達を呼んで式を」新郎新婦が望んだ形を実現 “コロナ禍のウェディング”はいま

コロナ禍で大きな打撃を受けてきたウェディング業界ですが、徐々に活気が戻りつつあります。延期を経て、ようやく披露宴を行う新郎新婦と「結婚式場のいま」に迫りました。

オーシャンビューの海辺に佇む邸宅のような結婚式場。打ち合わせをしているのは、静岡市に住む新郎の藤原稔海さんと新婦の佳央留さんです。

2人は2年前に、この会場で親族や友人たちを招待し披露宴を行う予定でしたが、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、親族のみで挙式を行いました。

<新婦・佳央留さん>

「いろいろな友達の結婚式に行かせていただいたんですけど、すごく幸せな気持ちになるので、どうしても友達を呼んで結婚式を一度はやりたいなとずっと思っていた。新型コロナもだんだん落ち着いてきたというところで決断をさせていただいてやろうかな」

友人に直接感謝の思いを伝えたい…2021年、娘の海怜ちゃんが生まれ、3人で2年越しの結婚式を行うことになりました。

ウェディング業界は、コロナ禍で大打撃。この式場では、2020年上半期に実施された結婚式の件数が前の年の同じ時期と比べて半数にまで落ち込みました。

<プランナー 中島みなみさん>

「(当時は)月に一組様も結婚式を挙げる方がいらっしゃらなかった。今まではなかったこと」

しかし、感染が落ち着いてきた今、見学に訪れるカップルはコロナ禍前の7割ほどまで回復し、延期していた式を再開するケースが増えているようです。

<プランナー 中島みなみさん>

「たくさんの方が当日こちらにいらっしゃいますので、常に窓を空けて換気をさせていただいています。あとは空気清浄機も設置をさせていただいていて、分子レベルまで空気をきれいにできる装置を常に動かして換気をしています」

会場には、遠方から来る人も含め多くの人が一同に集まり、食事をします。感染状況が落ち着いてきた中でも、式場側は、感染対策に抜かりがありません。

先週6月25日。60人以上のゲストを招いて、藤原さん夫婦の2年越しの結婚式が行われました。

<司会>

「お食事、お飲み物のシェアは、感染予防のためご遠慮いただきますようお願いします。また、新郎新婦へのお酌も今、ご遠慮いただいております」

<スタッフ>

「恐れ入ります。右手に手袋の着用をお願いいたします」

新郎新婦にとっても、ゲストにとっても、安全安心な結婚式を楽しんでもらうため、全員に協力をお願いし、一生に一度の時間を過ごしました。

<新婦・佳央留さん>

「本当に幸せな気持ちでいっぱいです」

<新郎・稔海さん>

「皆さん遠くから来ていただいてこれから妻と娘を守っていくと誓ったので幸せな家庭にできるように3人で頑張っていきたいです」

<プランナー 中島みなみさん>

「結婚式の開催を悩まれる方が多いと思うんですけれども、安心して新郎新婦が無事に結婚式を終えられるように精一杯お手伝いをしていくので、ちょっとでも希望を持っていただいて、結婚式を挙げていただければなと思います」

すべての新郎新婦が望んだ形で結婚式を挙げられるよう、ウェディング業界は模索しながら新たな式のスタイルを作り上げています。

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