復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉6月29日「全軍労48時間ストに突入」―琉球新報アーカイブから―

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
 

 日本「復帰」直後の1972年6月29日の琉球新報1面トップは、「全軍労48時間ストに突入/解雇撤回など要求/間接雇用移行後初めて/団交で打開できず」との見出しで、米軍から日本政府に雇用主が変わってから初めて、解雇通知に対する抗議で基地従業員でつくる全軍労がストに突入した記事を掲載している。記事では全軍労は「①338人の解雇撤回②契約業雇用員の労働条件の改善―などを要求して29日午前0時から48時間全面ストに突入した。全軍労全体としてのストは間接雇用移行により法的にスト権が認められてからは初めてのスト」と伝えている。 
 関連記事では「関係当局の誠意なさに抗議/全軍労がスト決行決起大会」との見出しで、宜野湾市内の普天間第二小学校横広場でストを決行となったことを受けた決起大会を開いた様子を紹介している。
 新県政の始動に合わせて「来月7日に臨時議会/県・与党連絡会議/公約実現に全力結集」との見出しで、屋良朝苗知事を支える与党体制の確立に向けた動きを伝えている。
 このほか国際情勢では「仏、核実験始める/南太平洋のムルロア環礁で/規模は大きくない?」との見出しで、国際的にも批判が集まっている核実験をフランスが実行したとのニュースを大きく報じている。関連で解説記事も掲載し「『環境宣言』無視の行為/国際世論の硬化招こう」と厳しく指摘している。
 
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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。  

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