はるやまHD会長を取締役再任 株主総会、退任求める提案は否決

はるやまHDの株主総会で本社に入る関係者ら

 紳士服大手のはるやまホールディングス(HD、岡山市北区表町)は29日、本社で株主総会を開き、治山正史会長(57)の再任を含む同HDの取締役選任案を可決した。正史氏の退任を求める姉の株主提案は否決された。

 同HDは賛否の比率を明らかにしていないが、総会出席者によると、正史会長や中村宏明社長(58)を再任する会社側の人事案には6割ほどの賛成が集まった。正史氏の姉の岩渕典子氏(59)は、現経営陣を刷新し、はるやま商事(同)の元役員らを起用する対案を出したものの、賛成率は4割程度だったという。

 スーツ市場の縮小と新型コロナウイルス禍が逆風となり、同HDは2021、22年の3月期連結決算で最終赤字と苦戦。22年は4年連続の減収で、純損失が過去最大の78億9600万円に膨らんだ。株主総会では20、21年も、典子氏や創業者で父の正次氏(90)らが、正史氏の経営では不振から脱せないなどとして取締役再任に反対している。

 総会終了後、取材に応じた典子氏は「残念で社員が心配だ。来年どうするかはまだ考えられないが、声を上げる人がさらに増えれば考えたい」と話した。

 同HDは不採算店舗の整理や販管費の削減を進め、23年3月期では経常利益、純利益とも黒字を確保するとしている。

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