「物流自体の崩壊も」長引くガソリン価格高騰に運送業界から悲鳴

長引くガソリン価格の高騰は、運送業界に大きな影響を与えています。コストの上昇分を価格転嫁できないケースも多く、悲鳴が上がっています。

仙台市宮城野区の運送会社仙台配送です。約40台のトラックを所有し建材や食料品などの配送を請け負っていますが、燃料となる軽油の価格高騰が経営を圧迫しています。

2年前の軽油の価格は1リットル当たり80円台で推移していましたが、2021年は110円台、そして2022年の5月には140円台まで上がりました。

仙台配送尾上寿昭社長「大変とかのレベルじゃなくて、商売ができなくなるとおっしゃる方もいる。何とか自助努力で頑張ってきた。でも当然、限界を超えている」

トラックの運送事業は1990年に免許制から許可制に変わったことにより、事業者数は28年間で約1.5倍に増えました。そのため市場競争は激化しています。

宮城県トラック協会によりますと、コストの上昇分を価格転嫁しようとすると依頼主から「値上げしていない別の会社を使う」と言われる運送会社もあると言います。

仙台配送尾上寿昭社長「実際、私も言われました。この価格だったらもう取り引きできませんということで」

仙台配送では、このまま燃料費の高騰が続けば、人件費の削減に踏み切らなければなりません。

仙台配送尾上寿昭社長「今ドライバーのなり手が少ないが、まったく魅力のない業界になる。あそこは給料が安いからねと。そうなると物流自体が崩壊してしまうのかなと思う」

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