下水道使用料を最長35年にわたり誤徴収 福井県越前市、総額250万円を返還へ

越前市役所=福井県越前市府中1丁目

 福井県越前市は6月29日、市内の集合住宅16カ所の管理会社などから、最長35年間にわたり下水道使用料を誤徴収していたと発表した。下水道に排水されていない建物外の水道共用栓を誤って対象にしていた。総額約250万円を返還する。

 市下水道課によると、誤徴収があったのはアパート14カ所と市営住宅2カ所。共用栓は散水や融雪などのために設置された水道施設で、集合住宅の管理会社や入居者による自治会が使用者となっている。

 誤徴収があった期間は1年未満から35年で、4カ所は20年以上に及んでいた。同課は「排水が下水道に流入しているかどうかの確認が不十分だったことが原因」と説明している。

 誤徴収の総額は、10年以上前の使用料記録が保存されていないため不明としている。返還金は、国家賠償法に基づく最長期間20年の範囲で基本料金などから算出した。過去の使用者を含む17団体に650円~35万6千円を順次返還する。

 市下水道課は「関係者に多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびする」と陳謝。今後、水道の届け出書類のほか現地で排水設備の確認を徹底するとしている。

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