受け継いだ研究テーマを全国へ 大分雄城台高校科学部

3年連続で全国高校総合文化祭に出場、県大会では地学部門で最優秀賞を獲得するなど多くの賞歴を持つ大分雄城台高校科学部。毎年研究内容を変更する高校もあるが、大分雄城台は4年前から、先輩から受け継いだ研究に取り組み続けている。

水中微粒子の落ち方をタイムラプス(1枚ずつ撮影された写真をつなぎ合わせて、コマ送り動画にする手法)で撮影し、その経過を示した研究を昨年、崇城大学主催の、高校生による研究発表会「サイエンスインターハイ@SOJO」で発表。銅賞に輝いた。研究結果だけでなく、その過程や今後の展望、さらにはSDGs(持続可能な開発目標)など時事的な要素をひも付けて発表したことが大きく評価された。当時の部長だった後藤陸空(3年)は「失敗したり思ったようにいかないことも多い。原理の解明には時間がかかるが、その過程が面白い」と科学の世界を楽しみ、そのバトンを後輩へと渡した。

分からないことを知ることが科学部の面白さ

現在部員は13人。平日はほぼ毎日活動しているが、時には県のボランティア活動として小学生の自由研究になるテーマを考え「体験型子ども科学館O-Labo」で実験などを発表する。少しでも科学に興味を持ってもらえればと、部員で考える分かりやすいテーマは子どもたちにも好評だ。顧問の野口雄大郎教諭は、「これからも生徒たち自身が興味を持つこと、身近な疑問に取り組んでいきたい。科学部は賞ではなく『分からないことを知る』ことに面白さがある」と話す。

8月の第46回全国高校総合文化祭「とうきょう総文2022」への出場が決まっている。好奇心いっぱいに日々重ねてきた研究を発表する。

全国高校総合文化祭に出場する

(塩月なつみ)

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