矢掛で鼓体験のワークショップ 「千人鼓の会」理事長の望月さん

鼓を持ち、音の出し方を教える望月さん

 大人数で鼓を奏でギネス世界記録にも認定された「千人鼓の会」理事長を務める囃子(はやし)奏者・望月太津友さん=岡山市北区=による、鼓体験のワークショップが出身地の岡山県矢掛町小田の公会堂で開かれ、参加者が日本伝統の楽器に理解を深めた。

 望月さんは小鼓の麻ひもをほどいて「胴はサクラの木で江戸時代に作られたもの」と解説すると、町内外から集まった約60人は手に取って観察。さらに、胴の両面に馬の革を張っていることを説明、「伝統芸能は技術だけでなく命も伝えていく使命がある」とした。

 小鼓は「たっ」と「ぽんっ」の二つの音しかなく、胴と革をつなぐ麻ひもを手で締めて調整するなど、参加者は音の出し方も教わった。最後は五穀豊穣(ほうじょう)を願う「三番叟(さんばそう)組曲」を参加者で演奏。東京から駆け付けた望月さんの長女で日本舞踊家の花柳大日翠(おおひすい)さんが舞い、会場を盛り上げた。

 ワークショップは、地元商店街恒例の歌声カフェイベントの一環で19日に行われた。毎回訪れるという参加者(94)=同町=は「改めて鼓の魅力が分かった。もっと多くの人にも知ってもらえれば」と話していた。

© 株式会社山陽新聞社