「居眠りでなく軽い脳梗塞」指摘された市議が会見 市長「説明不十分」 溝埋まらぬ広島・安芸高田市

「議員が議会中居眠りした」…。安芸高田市では、市長のツイッターでの発信をめぐる論争を発端に、市長と議会の対立構造が続いたままです。居眠りと指摘された議員が30日、会見を開き、当時の状況を釈明しました。なぜ、このタイミングだったのでしょうか?

安芸高田市議会 武岡隆文議員
「今日まで、私はいつまでも居眠りということで、レッテルをはられているが、事実をお知らせしなければ、いつまでも収束しないと…」

RCC

安芸高田市議会の武岡隆文議員は、会見を開き、「居眠り騒動」について釈明しました。

RCC

「グゥー…」

2年前の9月、議会中での映像です。

当時就任したばかりだった石丸伸二市長は、武岡議員のことをツイッターでこう指摘しました。「いびきをかいて、ゆうに30分は居眠りをする議員が1名」…。

RCC

これを受けて開かれた市議会の全員協議会で、一部の議員から批判されたことを再び、「敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝?あり」などと投稿…。

RCC

波紋をひろげました。これをきっかけに市長と議会との対立は長期化…。

石丸市長が提案した2人目の副市長案を議会は3度にわたって否決…。議員定数を16から8へと削減する条例改正案も議会が否決しました。

RCC

今月の石丸市長はツイッターに「議会が混乱した原因は、武岡隆文議員の居眠りです。当人は『病気が原因となる意識の喪失』と釈明していますが、判然としないため問い質すと、議会は説明を拒み、今に至ります。説明責任を果たすのは、政治家の何よりな大事な仕事です」と投稿。

RCC

この投稿を受け、市政の取り組みなどをブログ配信している市民団体は、武岡議員本人に「居眠り」の事実を確認し、病院で検査した結果、「居眠りではなく、軽い脳梗塞を引き起こしたと診断された」と掲載しました。

RCC

会見は、このブログをみた石丸市長が、「説明は全く不十分」などとして、武岡議員に面談を求めたものの、武岡議員は、市長に対してではなく、公の場で市民に説明したい…ということで、開いたものでした。

RCC

会見で武岡議員は、「居眠りではなく、軽い脳梗塞を引き起こしたと診断された」と説明しました。

安芸高田市議会 武岡隆文議員
「私は、天地神明に誓って嘘はついておりません。改めて意見聴取するというのは対話ではないと思うので、そういうことには一切応じない」

一方、石丸市長は…。

安芸高田市 石丸伸二市長
「それぞれが主張するだけだと、永遠にかみ合わないどっちが事実か。自分の都合のいいことだけを言って、説明責任を果たすことがゆるされるのであれば、政治家は苦労しない」

RCC

診断書をめぐる、双方の主張は、以下の通りです。

武岡議員は、「“居眠り”と指摘されたあと、石丸市長あてに謝罪のメールを入れまました。後日、当時の議長から、石丸市長あてに、診断書のコピーが提出されました。全議員にも、診断書のコピーが配られました。ただ、個人情報の保護の観点から、病院名と担当医師の名前は、黒塗りで伏せた形で公表されました」としています。

石丸市長自身も、「前の議長が持ってこられたのは事実だ」と認めています。ただ、「その中身については、確認していない。見ていない。医師名、病院名を知っていたら言っている」と主張しました。そのうえで、「前の議長から、『置いていく』と言われたものの、個人情報が中に入っているので、市として受け取ることはできなかった」と判断し、そのままシュレッターにかけたと話しています。

対立構造は、なかなか解消されそうにありません。

RCC

© 株式会社中国放送