横須賀・久里浜少年院で金メダリスト清水宏保さん講演 「マイナスのスタートにもくじけずに」

久里浜少年院で講演し、在院者を励ます清水宏保さん=横須賀市長瀬

 長野冬季五輪スピードスケート金メダリストの清水宏保さん(48)が6月30日、横須賀市長瀬の久里浜少年院で講演し、社会復帰を目指す46人の在院者を励ました。

 清水さんは競技引退後の2012年、衆院選に出馬するも落選。「選挙の色がついたことで、テレビや講演の仕事に呼んでもらえなくなった」という。介護事業を立ち上げたものの、「営業に行けば『選挙のために来たのか』と追い返された」と苦しい時期を振り返った。

 しかし悔しさをばねに、1人で数万軒のポスティングをするなど努力を重ねて業績を伸ばし、現在は複数の介護施設やスポーツ施設を経営、従業員100人規模の企業に成長させた。在院者に「マイナスのスタートかもしれないが、くじけずにやっていってほしい」とエールを送った。

 清水さんは1998年の長野大会で金と銅、2002年のソルトレークシティー大会で銀メダルを獲得。法務省矯正支援官を務めており、全国の少年院や刑務所を訪れている。

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