ふるさと納税の新常識、コスパがいい返礼品の選び方とは?年末の駆け込みをオススメしない理由も解説

ふるさと納税は、数々のお得情報の中でも屈指の存在感を誇ります。お得すぎて、制度が突然終了してしまうのでは、と心配してしまうほどです。しかし、ふるさと納税をやったことがない方や、魅力を引き出し切れていない方がまだまだ多いように感じます。差がつくふるさと納税テクニックを、ふるさと納税歴7年の筆者が解説します。


なぜお得なの?

ふるさと納税がどうしてお得になるのか、その仕組みについて簡単に説明します。要点は以下です。

1. ふるさと納税(寄付)をすると自治体からお礼の品(返礼品)がもらえる
2. 返礼品は寄付額の3割以下と定められている
3. 寄付金は税金控除(還付)される
4. 控除される額は自己負担額の2,000円を引いた額

つまり1万円のふるさと納税をした場合、寄付額の3割にあたる3,000円分の返礼品が期待できます。そして1万円から自己負担額の2,000円を引いた8,000円が税金控除(還付)されます。この場合、実質負担2,000円で3,000円分の返礼品を獲得できたので、1,000円の得です。

このケースでは1,000円だけですが、ふるさと納税の寄付額を増やしても自己負担額の2,000円は変わりません。例えば1万円のふるさと納税を4つの自治体で行うと、実質負担2,000円で12,000円分の返礼品が期待でき、1万円分の得になります。寄付額に応じてお得の度合いも増していくのです。

ただし、ふるさと納税には寄付上限額があり、これを超えた分は税金控除されません。上限は年収や家族構成などによって異なるため、必ず確認しましょう。独身もしくは配偶者控除のない共働き夫婦の場合、ふるさと納税上限額は年収400万円の場合で43,000円、500万円だと61,000円が目安となります。

上限額の計算方法は、政府や自治体のサイトで紹介されているほか、多くのふるさと納税サイトで年収などを入力すると、自動で計算してくれる「控除上限額シミュレーション」が用意されていますので、自分がどれくらいお得になるか、ぜひ確認してみてください。

ふるさと納税サイトの選び方

ふるさと納税に力を入れている自治体の返礼品は、どのサイトでも同じ条件で同じ返礼品が用意されていることが多いです。同じ寄付額で同じ返礼品がもらえるのであれば、差がつくのは還元率。時期にもよりますが、特典がないサイトもあれば、キャンペーンで10%を超える還元を実施しているサイトもあります。いつも同じサイトしか利用しないのでは勿体ない。色んなサイトのキャンペーン情報に目を配りましょう。

ちなみに、ポイントサイトを経由できるふるさと納税サイトも多いのでこちらも確認必須です。ただし、キャンペーンによってはポイントサイトの特典が無効となる場合もあるので、適用条件はしっかり確認しましょう。

楽天市場とYahoo!ショッピングが王道

ふるさと納税サイトのキャンペーンは予測できませんが、楽天ふるさと納税とYahoo!ショッピングはお得な日程が計算しやすいです。

楽天ふるさと納税は、楽天市場のお買い物と同じ還元の仕様が適用されます。月に1~2回開催される「楽天お買い物マラソン」というイベント中に、10店舗で買いまわりするとポイント還元が+9倍、更に期間中の0のつく日か5のつく日に楽天カードで支払うとポイント5倍が適用されるため、これだけで合計14%の還元が得られます。

Yahoo!ショッピングでは、毎週日曜日に誰でもポイント還元が+5%になるキャンペーンを実施しています。この日は更に「倍!倍!ストア」というポイント還元+5%の催しを併用できることが多いため、Yahoo!ショッピングの基本還元1%と合わせると11%以上の還元が得られます。楽天市場と比べると還元率こそ少し下がりますが、買いまわり不要のお手軽さが利点です。

これらの還元率を基準にして、ほかのふるさと納税サイトのキャンペーンを品定めするといいでしょう。

ふるさと納税は時期を分散しよう

ふるさと納税は毎年12月に駆け込みで行う方が急増します。理由としては

  • 12月がふるさと納税の締め切り月である
  • 12月にならないと年収(所得)が確定せず、正確なふるさと納税の上限額が分からない

などが挙げられますが、複数のふるさと納税を同時期に行うと、返礼品が一気に届き、冷凍庫などの保管スペースが足りなくなり、対処に追われるはめになりかねません。ふるさと納税は年間を通して計画的に行いましょう。また、保管スペース問題には、1度の寄付で自治体から数回に分けて返礼品が届く「定期便」もオススメです。

目的を見失わない

ふるさと納税サイトの返礼品ランキングを見ると、上位にはフルーツや海鮮、ブランド牛など高級食品が並びます。ふるさと納税の返礼品は、これらのぜいたく品ばかりをつい選びがちです。ふるさと納税はお得な制度ですが、自己負担額の2,000円がある分、支出自体は増えるものです。ポイント還元があるとはいえ、普段買わないようなぜいたく品ばかりを返礼品に選んでいると、節約効果はなくなってしまいます。家計が最優先であれば、お米やボックスティッシュなど、日常的に消費する返礼品を選びましょう。

人気だけどお得じゃない返礼品

ふるさと納税の返礼品は、寄付額の3割までという決まりがあることは既に説明しました。1万円の寄付額であれば3,000円です。実はこの3割というのは、返礼品の市場価格ではなく、自治体による仕入れ値の割合です。つまり1万円の寄付に対する返礼品は、自治体の仕入れ値が3,000円であれば、実売価格は3,000円を超える品物でもOKということです。実際にふるさと納税サイトを見てみると、通常4,000円以上の価格で販売されているお米が1万円の寄付額で手に入るなど、コスパに優れたものを発見できます。

これをふまえると、1万円の寄付で3,000円分の利用券やギフト券がもらえる類の返礼品も人気ですが、お得の視点ではオススメできません。実売価格が寄付額の3割を超えるコスパの良い返礼品を選び、浮いたお金で直接利用券などの購入に充てた方がお得になるでしょう。


ふるさと納税はとてもお得な制度です。

  • 還元率で差をつける
  • ふるさと納税サイトはポイントサイト経由もある
  • 3割規制は市場価格ではなく自治体の仕入れ値

これらを意識して、ふるさと納税の魅力を最大限に引き出しましょう。

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