京都の男性が取り組む「置きベン」って? お年寄りや小学生に人気

誰でも自由に座れるベンチを置く「置きベン」に取り組む小畑さん(京都市上京区)

 誰でも自由に腰掛けられるベンチを歩道に面した自宅の敷地内などに置く活動「置きベン」に、京都市上京区の男性らが取り組んでいる。ぬくもりある手作りのベンチが道行く住民から好評を得ており、活動の普及を目指している。

 任意団体「対話之町京都ヲ目指ス上京」の小畑あきらさん(61)=同区。疲れたときに気軽に座れるベンチが減っていると感じ、昨年9月から置き始めた。ベンチの多くは小畑さんの手製。活動に共感した南区の材木店から提供された木板と、酒販店から安く入手できるビールケースを組み合わせる。板がずれて座った人がけがをしないよう、接着剤とボルトで強く固定している。

 小畑さんが始めた置きベンは、地域住民への呼びかけなどで現在6台に増えた。歩き疲れたお年寄りが休憩したり、小学生が宿題をしたりしている。

 ベンチを「持ち運び可能な縁側」に例える小畑さん。境界があいまいで靴を脱がずに同じ空間を共有できる気軽さが共通しており、「ベンチに座っていると、歩いているときよりも多くの人があいさつを返してくれたり、よく通る人との会話が弾んだりして面白い。今後も置きベンを広めていきたい」と意気込む。

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