男女死亡、熱中症で…窓開け扇風機に当たる男性、体動かず 女性も反応が鈍くなり、家族が気付くも死亡

各地で猛暑続く 県内熱中症で2人死亡

 高気圧に覆われた日本列島は30日、東日本や西日本を中心に気温が上昇し、鳩山町で39.9度となるなど埼玉県各地で40度に迫る厳しい暑さとなった。気象庁によると、全国914観測点のうち、最高気温が35度以上の猛暑日になったのは179地点で今年最多となった。県内では29日、熱中症の疑いで狭山市の男性(55)と吉見町の女性(95)の2人が死亡したほか、30日も救急搬送が相次いだ。

 異例の暑さは東北などを除き7月1日も続く見込みで、気象庁などは熱中症の危険度が特に高まったことを示す「熱中症警戒アラート」を引き続き発表し、警戒を呼びかけている。

■相次ぐ熱中症

 埼玉県は30日、29日に狭山市の男性(55)が熱中症の疑いで死亡したと発表した。男性は自宅で思うように体を動かせなくなり、午後6時8分ごろに家族が119番通報したが、午後7時18分に医療機関に搬送され死亡が確認された。

 男性の自宅にはエアコンがあったが使用されず、窓を開けて扇風機を使っていたという。同日午後6時ごろの所沢市の気温は33.1度だった。

 また同日、吉見町の女性(95)も熱中症の疑いで死亡した。自宅にいて反応が鈍くなったため家族が救急車を要請し、午後3時42分に医療機関に搬送後、死亡が確認された。

 県消防課によると、これまで熱中症の疑いによる死亡者は3人。30日は135人が救急搬送され、9人が重症、58人が中等症という。

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