「長崎の郵便配達」上映会 地元高校生が運営協力 平和のメッセージ届ける

上映会後の舞台あいさつで、メッセージを伝える高校生ら=長崎市万屋町、長崎セントラル劇場

 長崎の核兵器廃絶運動をけん引した被爆者、故谷口稜曄(すみてる)さんにスポットを当てたドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」の高校生向け上映会が6月29日、長崎市の長崎セントラル劇場であった。上映会運営に協力した被爆地長崎の高校生らは、次世代に平和のメッセージを伝えようと呼びかけた。
 昨年8月9日の長崎原爆の日に、中高生を対象とした上映会が開かれる予定だったが、コロナ禍で直前に中止となった。今回1年ぶりに実現し、応募の高校生約20人と一般市民約50人が鑑賞した。
 上映後、川瀬美香監督や出演した県立大2年の寺田拓真さん(19)、上映会運営メンバーの県立長崎東高3年生3人が舞台あいさつ。昨年3人が制作していた予告映像も紹介された。
 メンバーの湯田寛太さん(17)らは「原爆の体験談はこれ以上増えないが、(映画から受けた)気持ちは増える」「郵便配達員のように、映画を見て感じたことを届けよう」などと述べた。今回の鑑賞者に書いてもらったメッセージカードと、近く東京で行う中高生上映会でのカードをメッセージボードに貼り、各地の映画館に掲示するという。
 上映会に参加した純心女子高3年の金子稟さん(18)は「長崎に生まれ育った私には原爆の実相を伝える使命があると思った」と感想を語った。
 映画は8月5日から県内4映画館を含む全国約70館で公開予定。


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